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Episode04 ページ6

……それから約十分後。黒いキャスケットに大きめのマスク、目が見えにくい眼鏡といういかにも怪しそうな風体で、夜の道をとぼとぼと歩く影が一つ。




――――いかにも、それは私ですが何か?



だってエマの奴、知らないうちに私の素顔を写メってたんですけど。ついてこないとこの写真誰かに見せるとかいうクッソ意地の悪い脅しを受け、断腸の思いどころか、内臓全部吐き出すくらいの思いで外に出たんです。




小悪魔どころか、これはもう悪魔の所業だわ。エマ:デビルモードとか聞いてない。




手を引かれて連れてこられたのは、近所の神社。人が大勢集まっているのか、熱気がすごい。そしてこの時点でもう帰りたい。



そしてブォンブォンうるさい。暴走族らしくバイクに乗ってるんだか知らないけど、中学生でこれはやばくないか。




そんな光景にも慣れたとでも言わんばかりにずかずか進んでいくエマ。そんな彼女にバレないように、虫のような俊敏さで木陰へ。




幸い、私の逃走については気付かず、エマは一人の男と話し込んでるみたいだった。



……うわー、あの人絶対7,8人は殺ってるな。こめかみに龍のタトゥーとか入ってる時点で、やってんなーという感想しか出てこない。



彼と話すエマの頬は紅潮しており、ははーんエマはあの人が好きなんだな、と分かった。話し相手がいないヒマな集会に、なんでわざわざ行くのかも。……私、ここに来た意味なくない?とか思ったけど、それを考えたら負けなのでもう何も考えません。




集会?の間、私は木陰にしゃがんで雑草をプチプチ抜くという、微妙にこの神社に貢献する行動をしていたわけだけど。



…そして結局エマの話し相手になることもなく、集会らしきものは終了した。
―――うん、やっぱり来た意味なかったな。




「ごめんA、ほったらかしにして」

「……」

「――え、怒ってる?」


心配そうに顔を覗き込むエマ。……逆に怒ってないと言い切れる根拠は何?
もともと無口だけれど、若干怒りが混ざって更に口を開かない私に、エマが焦ったように謝る。




「ねーエマ、だれ?ソイツ。その不審者みたいなヤツ」


―――金髪の小柄な少年が急に割り込んできたのは、突然の出来事だった。

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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時

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