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Episode44 ページ46

「ってことで俺ら、付き合うことになったんで」





東卍の集会で堂々とそう発言をした千冬の横で、私は羞恥のためひたすらに俯く。
何でこんなとこで言っちゃうかなーと思ったけど、千冬が言うと言ってきかないので。


こんな大勢の前で言う必要なくない?ないよね?


未だ文句はわんさか出てくるけれど。でもまあいっか。好きな人と結ばれることができたんだし、それぐらい目を瞑っても。私は幸せ者だ。



千冬の交際宣言の後、その場は水を打ったように静まり返る。
それもそうだよ、いきなりこんなこと言われても、ねぇ?ちなみに私、今日はいつもの一張羅身に着けてません。つけようと思ったけど、「それじゃ意味ねぇだろ、」と千冬に止められた。Why?




「―――そっか、」

一番最初に口を開いたのは、マイキー君だった。意外にもその声は穏やかで。



「ちょっと寂しいけどさ、二人がそれで幸せになるんなら、俺は嬉しいよ」

あらやだ。すっごいいいこと言ってくれるじゃないか、この人。てっきり、拗ねるか怒るかすると思ったけど、見当違いだった。

千冬も、予想外みたいな顔してるけど、やがてそれは嬉しそうに緩まる。


「はい、あざっス」

「俺らはAと千冬のこと、祝福するよ」


大人になったね、マイキー君。ホントに良かっ―――…




「――なーんて、言うとでも思ったか?」

「…え?」

「…ん?」


フリーズする。理解できないまま、マイキー君の顔が意地悪く歪んでいくのを見ているしかなかった。


「祝福なんかしねーよ、ばぁか。付き合おうが関係ねぇ、奪えばそれでいい話じゃん?」

二人して固まる私達をよそに、不敵な笑みを浮かべるマイキー君。…否、マイキー君だけじゃなかった。三ツ谷君や、春千夜まで。




…うん。

好きな人と結ばれて付き合うことがゴールだと思ってた。そうじゃない、それがある種のスタートラインだったんだね。


あー、前途多難。見上げた空は、憎らしいほど美しい、満天の星空でした。


――Fin

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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時

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