Episode41 ページ43
こんな状況でよく眠れますね。私には到底無理です、目の前の彼が怖すぎて。
「……」
「え、あ、えっと、」
気まずい。気まずすぎる。先程から無言を貫いてる千冬だけど、イラついてるのはもうこれ以上ないくらいによく分かる。
神経質そうに机を指で叩いているのがその証拠。
「Aー、好き…」
もごもごとマイキー君の唇が動いて、そんな言葉を発する。
やめて今そんなこと寝言でも言わないでー！！実際寝言なんだろうけどさ。
私とマイキー君の姿を千冬は視線を往復させて、おもむろに携帯電話を取り出した。
誰に電話するんだ？
「あ、ドラケン君。○○って店でマイキー君、寝ちゃったみたいで。回収お願いしても構わないっスか？…はい。いえいえ、そんなことはないです。―――取り敢えず、よろしくお願いします」
言いたいことだけ言い終えると電話を切って、こちらに向き直る千冬。
「…行くぞ」
「え、でもマイキー君は…」
「ドラケン君が迎えに来てくれるらしいし、お金は立替えときゃいいだろ。ほら、早く」
有無を言わさず私の手を取って、ぐいぐい引っ張り上げる千冬。
「ちょっと待って、お願いだから」
無理矢理立ち上がると、起こしちゃうかもしれないし。寝起き悪そうだから、それだけは避けたい。膝の上からそっと彼の頭をどかして、軽く彼の前髪を撫でる。
「ごめんね、マイキー君」
耳元で小さく囁けば、薄い瞼がピクリと動いたけれど、起きる様子はなさそうだった。
良かったー、と息を吐けば、チッと小さく舌打ちをする音が聞こえる。誰でもない、千冬だけど。
そのまま、引っ張られる形で店を出た。
出てからも腕を離してくれる気配はなくて、結局解放されたのは、家の近くのいつもの公園で。
「……随分マイキー君と仲いいみてぇだけど、」
そう言った彼の言葉には、明確に棘が含まれていて、何となくカチンとした。
「マイキー君はいい友達だよ。ちょっと困ったさんなところもあるけど、優しい人だし」
「優しい人だったら、ただの友達でも男に膝枕とかすんのか？」
明らかに苛立ったような声音に、その理不尽さに私もイラっとする。
おかしいな、千冬に苛立つことなんて、もしかしたら生まれて初めてかもしれない。
今日の私はどこかおかしくて、吹っ切れている。
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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです！！はい！花子くん大好きです！！ (2022年3月2日 21時) (
レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか？？違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう！？！？いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします！💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです！毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます！雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~！！！ (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年10月10日 11時
