Episode39 ページ41
とうとう来てしまった。何とも憂鬱で気が重い…ゲフンゲフン、待ちに待った日曜日が。
逃げたいが故に勢いでデートとか言っちゃったけど、マジの方でめんどくさい。
まあでも言い出した限りはちゃんとするのが礼儀だとは思うし、動きやすく、かつお腹いっぱい食べることも考えて、ゆったりしたワンピースを着て待ち合わせ場所に向かう。
癖で10分ほど早く着いちゃうんだけど、すでにそこにはマイキー君がいて、びっくりした。
「お待たせ、」
「!! …………。」
軽く手を振って近づけば、一瞬顔を輝かせた後、無言でこちらに向かってくる彼。え、なになに、何なのさ。
「これから俺とデートなのに、顔隠すの禁止」
「えぇ…」
「えーじゃねぇ、駄目なもんは駄目なんだよ」
ごういーん。もうちょい優しく扱ってほしい、私の眼鏡とマスクと帽子。
そして道行く人の視線を集めちゃうな、私。
そしてそんな人たちにガンを飛ばすなマイキー君。花の蜜に蝶が引き寄せられるように、私の顔を見つめてしまうのはもはや自然の理なんだよ。……ごめんなさい調子に乗り過ぎました。
「腹減った、早く甘いもん食いにいこーぜ、A」
「はいはい、分かってますよ…」
食い意地はってんなーとか思いつつ、言葉には出さずに目的地へと向かう。
道中、彼が私に引っ付きすぎてて非常に歩きにくかった。おかげでナンパとかされることはなかったとはいえ。
「え、何でそこに座るの?普通向かい合わせじゃない、こういうときって」
「ヤダ。俺ここがいい」
お店に入って席に座……ろうとしたんだけど、何故か私の隣に座るマイキー君。4つ席あったら普通、向かい合わせか、斜めに座るかじゃない?何故にそんな密着して隣に座るの?
「Aとくっつくの好きなんだよ、オレ」
横から私の腰に腕を回し、肩に頭を預ける彼と、困ったように眉根を寄せる私の姿を店員さんが生暖かい目で見てる。やめてそんな目で見ないで。見るなら助けて。
とその時、カランコロンとドアベルがなって、来客を知らせる。姿は見えないけれど、足音は着実に私たちの方に近付いてきて、そして――――
ドカリ、と私たちの席の目の前に腰を下ろした。
「へ?」
「は?」
ぽかんとする私と、機嫌が悪そうな声を上げるマイキー君。
――――目の前に座ったのは、正真正銘、紛れもなく千冬だった。
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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時