Episode37 ページ39
「あ、やべ、明日の数学のノートが無い」
そう気づいたのは、夜の11:30。もうとっくに近くの百均とかスーパーは閉まってる時間なので、コンビニくらいか、行けるところとしたら。
外出は嫌いだけれど、夜はまだまし。何てったって人自体がまず少ないし、不審者装備も暗闇に紛れてそこまで目立たない。逆に街灯の下とか立った時、怪しさ半端ないけど。
「買いに行こ、」
母親に伝えた後、自転車のカギをもって外に飛び出す。
買いたいものだけささっと手早く会計を済ませて、外に出ようとして、
「あ、マイキーが惚れてる女、」
後ろから聞こえた声に、思わず足を止めそうになって…止めなかった私って偉い。
あんな不名誉なあだ名なんて私は知らない。聞いたこともない。空耳だったんだね、きっと。ってことで帰ろーー…
「何で逃げンの?」
はい回り込まれたオワターーーーーーーーーあら、綺麗なお顔。
マスクしてても分かる、顔の綺麗さ。長い睫毛に縁どられた瞳は大きくて、白っぽい長髪もなんだかよく似合ってる。逆に黒いマスクがミステリアスでいい感じというか。
「何か、用でも」
ここ最近、初対面の人でも何とか言葉を絞り出せるようにはなってきた。
向こうが私を知ってるという事は、初対面ではないのかもしれないけれど、それでも私の知り合いにこんな顔が整った人っていない。
この前街で会ったなんとか兄弟も、相当整った顔はしてたけど。
それにしても何の用だろうか。
“テメェ今万引きしてただろ!?”とか濡れ衣着せられたら困るな。夜は悪い妄想が膨らみやすいね。
「ん?こうすんだよ」
物凄く自然な動作で、メガネとマスクを外された。あまりに自然すぎて、違和感がなかったぐらいに。
「…はい?」
「おー!やっぱマイキーが夢中になるくらいの顔はしてんな、」
「やっ、ちょっ、何するんですか!?」
慌てて奪い返そうとするけれど、いとも簡単に躱されて。
それどころか必死で取り戻そうとする私を見て、にやにやと楽しそうに笑い始める始末。
ああムカついた。プッチンしたので、取り返すことは諦めて、お返しとばかりに彼のマスクを剝ぎ取ってやる。
「なるほどねー、口の傷を隠してたわけかー」
「返せオマエ、殺すぞ!?」
「やーだよ、絶対嫌」
おもろい。嫌な奴を苛めるのってこんなに楽しいのね。こりゃ世界からいじめがなくならないわけだ。
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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時