検索窓
今日:71 hit、昨日:93 hit、合計:612,732 hit

Episode02 ページ4

外出時における私の装備を紹介したいと思う。


まず最初に、かなり透明度の低い伊達メガネを付けます。そんでもって顔のサイズよりちょい大きめのマスクを付けて、最後にお団子にした金髪を、キャスケットを深くかぶって隠したら完了。私の一張羅である。



ブロンドが厄介なんだよな。私ハーフなので。碧眼ブロンドのお母さんの血を濃く引いたみたい。



基本的にヒッキー(※ヒッキー…引きこもりのこと)である私は、学校以外で外に出ることがないのだ。



着信音が鳴って、携帯を開いてみればエマからメール。



『今日こそAの顔見せてもらうからね!』



エマと知り合ったのは、ひょんなことから。学校帰りの電車で隣に座って居眠りしていた彼女は、最初は肩に寄りかかってきていただけなのが、いつの間にか膝枕状態になっており。



最寄駅を乗り過ごしてしまったので、そのお詫びとして渋る私に半ば強引にパフェを奢ってくれたのが彼女だった。




口下手な私に根気よく付き合ってくれた彼女は、私の数少ない友人なんだけど。
…何か不穏なメールだな。確かに私は、エマの前でも例の格好でいるわけだけど。彼女ときたら、やけに私の素顔を気にするもんだから。




と、その時インターホンが鳴って。



「あれ、お母さんかな。仕事、もう終わったんだ」

やけに早いなとは思いつつも、はーい、と返事をして扉を開けて、



「えへへ、この前コッソリ後つけて家分かったから、ついつい来ちゃっ……えっ」

扉を開けるとエマがいた。悪戯っ子のような顔をして言い訳する彼女の言葉が、途中で途切れる。



みるみるうちにその白い頬が赤く染まっていって。



「え、ウソ、聞いてない!Aがこんな綺麗とか聞いてない!ウチ、え…好き……」

「こうなるから嫌だった」



玄関でパニックに陥ったエマを、とりあえず中に入れる。最後“好き”って言っちゃってんじゃんもう。エマは好きだけど、百合展開は求めてない。




私の美貌は女子をも魅了してしまうんだよ。冗談じゃなくて、マジで。本気と書いて大マジと読むあれです。





部屋に上がってからも、エマはずっと、ボーっとしたように私の横顔を見つめてる。




……うん。この居たたまれない感、マジでどうしよ。

Episode03→←Episode01



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (1019 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2554人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。