自分の顔が綺麗すぎて二度見した。

Episode28 ページ30

――――気分が晴れない。こういう時は、ずーっと家に引きこもっているにかぎる。外に出てストレス発散とか、私的にはあり得ないので。家にいて本を読んだり、ゲームしたり、ちょっと勉強したり。



あれから千冬とはギクシャクしっぱなし。というよりは、私が意図的に避けている感じだけれど。



それに気付いてか気付かないでか、

『今日、Aの家に行くから』

と、千冬からメールが一件届いていた。



やだな、今は会いたくない。会ったら多分、普通に泣いちゃう気しかしない。
居留守使うのも罪悪感あるし、どうしようと悩んでいたら、エマから、



『Aー、今日一緒にお買い物しない？一生のお願い！！』

とのこと。六本木ヒルズで買い物しよ♡、ってウキウキしてるっぽいけど、人混み嫌なんだよな、私。酔うから。


一緒にとか言いつつ、エマいつも勝手にどっか行っちゃうし。故に私は一人で自由行動。



そして一生のお願い乱用しすぎだよ。この言葉聞くの15回目ぐらいなんですけど。輪廻転生しまくってるんですかと言いたい。






『分かった』

とか思いつつも、そう返事してしまった。この状況で千冬に会うよりはマシだし、大義名分もできる。









―――で、実際買い物に来たわけだけど。想像してた通りになりました。ついた瞬間、エマは目を輝かせながら凄まじいスピードでお店に入っていき、あっと言う間に見えなくなった。



「……一緒に来た意味なくない？」

やめよ。なんか負けた気分になるし、もうこれは考えないことにしよう。私は特に買いたい物もないし、エマから連絡来るまでそこら辺適当にぶらついとこう。






それにしても人が多い。散歩しててもキラキラしたオシャレな感じの人がいっぱいいて、若干頭がクラクラとした。


人混みに酔いつつ歩いていて目についたのは、ある集団。



……集団というよりは、一人の男に対して3,4人くらいの派手派手な女の子たちが群がってる感じ。中心にいる彼は、ウンザリといった表情を浮かべていた。




「ねぇねぇ竜胆今日ヒマでしょ？あそぼーよ〜」

「うっせ、ヒマじゃねぇよ、人と待ち合わせてんだよ」

「人って……蘭くん！？いいよいいよ、蘭くんも一緒に遊べばいいじゃん！」

「竜胆オシャレだし、買い物付き合って欲しいな♡」

「だから、俺は……」


…うわー、見てるだけで胸糞悪くなってくる。

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