Episode24 ページ26
「……そう、かも。嫉妬、してるのかもしれない」
なんでそんなにハッキリ肯定したのか、自分でもよく分からなかった。もうすべてが、どうでもよくなっていたからかもしれない。
「ふーん、」
自分から聞いておいて、彼の反応は感情の乏しいものだった。
「オレも最近よくするよ、嫉妬。千冬にさ、」
かと思えば、そんなことを言ったりして。…いや、別に私は千冬自身に嫉妬してるわけではないんだけども。
「…何で?」
「逆にお前は、何でだと思う?」
マイキー君は不思議な笑みを浮かべた。妖しくも美しいその笑顔に、追及するのはやめることにしました。なんか怖かったので。
「俺の家、来る?」
「え…」
「ん、そんじゃ行こ」
「強引――――」
あまり気が進まず渋ってた私の手を無理やり引っ張っていく。いや強引。ゴーイングマイウェイすぎてビビるわ。…あ、なんか今韻踏んだ。どうでもいいけど。
「適当にそこら辺座ってろよ、着替えてから何か出すから」
「あぁ…いえ、お構いなく」
私は構わないけど、マイキー君はもうちょい構ってほしい。仮にも女子の前で、堂々とTシャツ脱ぎ脱ぎし始めるのはちょっとどうかと思う。
…別に恥ずかしがるわけではないけど。っていうか一回見たことあるけど。※マイキー君は知りません。
それにしても、意外。彼は小柄で細身なので、もっとこう、ガリヒョロなのかなーと勝手に思ってたけど、案外しっかり筋肉ついてる。腹筋もちゃんと割れてるし、鍛えられてるなーと思った。
「…何、なんでそんなジロジロ見てンの?」
私がじーっと眺めていたことに気づいたのだろう、ニヤニヤしながらそう尋ねる彼。
「―――いや、意外だなーって」
「オレが筋肉ちゃんとついてんのが?」
「うん」
普通に頷けば、“ハハ、正直”って軽く笑って。
「―――惚れんなよ?」
悪戯っぽい目で揶揄うように言われて、何だか私もムクムクと対抗心が湧き出てしまったのだ、謎なことに。ホントに、この時の私はどうかしてた。
「……そっちこそ、」
「?」
訝しげにこちらを覗き込む彼の前で、いつもの不審者スタイルを解除する。―――素顔を、曝け出す。
お団子でまとめていた髪がほどけて、肩にふわりとかかった。
「――惚れたりしないでね?」
自分でもびっくりするほど妖艶に、蠱惑的に、私は微笑んでみせたのだった。
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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時