Episode22 ページ24
「なーんかAっぽい奴いるなって思ったら…。こんなとこで何してんだよ、A」
「アイスクリームを食べてて。千冬も一口あげる、はい」
つかつかとこっちに近付いてきた千冬に、一口差し出せばすぐさまぺろりと食べてしまう千冬。そんな姿ですら、可愛いと思ってしまう。
思わず頬を緩ませてへにゃりと微笑めば、千冬の表情もほんの少し柔らかみを帯びて。
何を思ったのか、いきなり後ろから腰に腕を回される。
「今日ヒマ?」
「へ?あ、はい、そうです、暇です」
「――そんじゃ、今から俺ん家来る?」
「!――行く!行きたい!」
肩口で言葉を囁かれ、ドギマギしていたけれど、そんな焦りも千冬の言葉にどこかすっ飛んで行ってしまう。そんな私に満足気に笑うと、千冬はその体勢のまま三ツ谷君に向き直った。
「ってことで三ツ谷君、そろそろコイツ返してもらっても良いっスか?」
「
私の与り知らぬところでバチるのはやめてくれ。謎に板挟みにされてるんだ、私。
「さあ行こうさっさと行こうどんどん行こう」
「ちょっ、押すんじゃねぇよA!」
ってことで撤収ーー。千冬の背中をぐんぐん押して、その場を出る。文句言ってる千冬はもう知らん。
「三ツ谷君、今日はどうもありがとうございました」
「千冬に意地悪されたら俺に言えよ、此花さん」
「はーい」
いい人だね、ホントに。
「三ツ谷君と随分仲良いみてぇだけど、」
「??」
千冬の部屋nowなわけだけども、何となく彼が怒ってるっぽくて、若干気まずい。
「え、ああ、うん。色々と、お世話になって」
「“色々”?」
今日の千冬は少しおかしい。私の言葉尻を捕らえて、その度に一層不機嫌そうな顔になって。千冬に怒られると、すぐにしょぼんとなってしまう私だけれど。理由もわからずイラつかれるのは、少し理不尽だと思う。
「私、なにか駄目なことした?無意識に不快なこと言ってたらごめんなさい、謝るから、」
ずっと背を向けたままの千冬の腕を取って、こっちを振り向いてもらおうとして、
「――A」
逆に肩を軽く押されて、視界が反転する。目に映るのは、天井と、千冬の整った顔立ち。
体にかかる重み。………あれ、もしかして私、押し倒されちゃったりしてる?
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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時