Episode20 ページ22
□■ side A ■□
「おいエマ!!」
「!?…ウソ、何でマイキーがここにいるの!?」
「下着の替え持ってくの忘れたから、ケンチンのとこ泊まんのはやめた……ってそうじゃねぇ、オマエ今誰か家に呼んでるか?」
「――よ、呼んでないけど?」
「今さっき、そこの廊下に女が……」
「過去にマイキーがノシた女の子の生き霊じゃない?もしくは異国のプリンセス」
「俺は女に、しかもあんな綺麗な奴に手ェ出さねーし、っつか、なんで異国のプリンセスがここにいンだよ、」
安全圏に避難しつつ、兄妹の会話を盗み聞きしてたんだけども。
エマの取り繕い方雑過ぎてもはや微塵も隠す気ないでしょ。私、いつの間にか生き霊or異国のプリンセスになってたんですけど。どういう二択?、それ。
私の寝間着はゆったりとした長袖のワンピース、いわゆるネグリジェと呼ばれるもので、ドレスに見えるのかもしれんけど。
首を傾げつつ、エマの部屋を出て行った彼を確認し、私はそっと部屋に戻った。
いやー、バカな兄貴(失礼)で良かった。
「エマちゃーん???」
「いや、あの、ウチも知らなかったんだって!!まさかマイキーが帰ってくるとは思わないじゃん?」
凄みつつエマに近寄れば、焦ったように言い訳し始めるエマ。…まあ確かにエマが悪いわけではないけれど、あの言い訳は駄目だろ。マイキー君が超弩級のバカじゃなかったら(超失礼)、絶対失敗してた。
その後はヒヤヒヤしてゆっくり眠るにも眠れず、精神的に摩耗した1日を送ったのでした。めでたくないめでたくない。…バレなかっただけマシと思えばいいのだろうか。
次の日の帰り道、学校から家まで直行する道のりで、不意に後ろから頭をポンと軽く叩かれた。
「!?」
「よっ、久し振り、此花さん」
銀色の短髪に、切れ長で涼しげな目元。それは紛れもなく、三ツ谷君だった。制服なので、学校帰り?
そこまで仲良いと思っていない人に、下の名前で呼ばれるのは好きじゃない。その点彼は、私の名前を知っている上で、ちゃんと苗字で呼んでくれるので、距離感の掴み方がなかなかにナイスだと思う。誰かさんと違って。エマのバカ兄貴とか。
「セーラー服、やっぱ此花さんによく似合ってるよ。すげー可愛い、」
確かに私もこの制服のデザイン凄い可愛いと思うけど、それをサラッと言えてしまうのが彼の凄い所だと思う。
2554人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです!!はい!花子くん大好きです!! (2022年3月2日 21時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか??違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう!?!?いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします!💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです!毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます!雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~!!! (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年10月10日 11時