自分の顔が綺麗すぎて二度見した。

Episode18 ページ20

「ねえねえA、ウチの家でパジャマパーティーしようよ！」



――――エマの提案は、いつも唐突である。


「えー…嫌」

「なんで！？」

なんかこの展開デジャヴ。


「パジャマでパーティーとか、汚れそうなので。パジャマは基本的に清潔に保ちたい」

「そんなけち臭いこと言わずにさー、ね？1回で良いから。1回。付き合ってくれなきゃ、この前撮った写真を…」

「是非とも行かせていただきます」

「だよね！Aならそう言ってくれるって、ウチ、思ってた！」



この悪魔め。とか思うけど写真をダシにされると抗いようがないので、どうにも歯痒い。



「エマの家かー…。マイキー君、いるんだよね」

「ダイジョーブだって。見られないようにすりゃいいんだから」


不安だ。実に不安だ。私の中の第六感が、危険だと警鐘を鳴らしている。



「やだな、ロザリーちゃんと離れたくない」

「ロザリーちゃん？？」

「ネコ」


気品があって仕草が洗練されていて優雅で、真っ白な毛並みと透き通る宝石みたいなターコイズブルーの瞳の色彩の対比が何とも眩い、美猫にして私の愛猫。しかもラグドールだからモフモフで、抱いて寝るとそれはもう幸せ。


「おーい、ウチが目の前にいるのにトリップしないで」


いけない。猫のことになるとつい、我を忘れる癖があって。


「っていうか、エマがAの家行った時、そんな猫いた？」

「うちのロザリーちゃんはシャイだから、他人の前で姿を現さないんだよ」



…まあ猫の話云々は置いといて、そのパジャマなんたらの話だよ、問題は。



「土日どっちも空いてるんでしょ？」

「…まぁ、うん」

「だったら、朝から一緒にお出かけして、買い物したりスイーツ食べたりしない？」

「えー面倒くｓ…」

「写真」

「エマ様のお望みどおりに」

「やった♡」


この悪魔め(2回目)。見た目天使みたいな可愛い顔した、中身悪魔め(ここ重要)。





そして当日。一応春らしく、レースのあしらわれた白いワンピースと淡いピンクのカーディガンという、我ながら割と可愛い服装にしたけど、頸から上不審者スタイルだから、妙にアンバランスな今日この頃。



荷物は先にエマの家に置いた。



待ち合わせ場所で待っていると、時間ピッタリにこちらに手を振る人影が。



「Aー、お待たせー！」

はい今日も可愛いですね。私は憂鬱です。

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