自分の顔が綺麗すぎて二度見した。

Episode17 ページ19

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何でバレたんだろう。気付かれないように、悟られないように、細心の注意を払っていたはずなのに。


上手く、誤魔化せれば良かった。「…は？」とでも言っておけば、ちゃんと取り繕えたはずだったのに。


でも、無理だった。耳まで赤くなるのを止められなかった。




「――え、もしかして、マジで千冬のこと好きなのか？」

……うーわ。どうやらこの反応からして、彼も冗談半分で聞いたっぽかった。私がマジの方で応答しちゃったから、彼の方が驚いてる。






こうなったらもはやヤケクソ。自分が無口であることも忘れて、壊れたように話し始める。






「ええ好きですよ、好きですとも。ただの心許せる幼馴染だと思ってたのに、あっと言う間に恋に落ちちゃったんですけど。あれはもう不可抗力だよ、あんな優しい顔で、優しい笑顔であんなこと言われたら好きになるしかないでしょ恋心芽生えるしかないでしょまったく。ないわー、マジでないわー私が恋するとか恋するとか恋するとか！！でもそれが起こっちゃうのが現実なんだよ分かる！？」


「……」


――あれ。もっとこう、「お、おう…」みたいな反応を予想してたんだけども。若干ドン引きされて、できればこのまま私から永久に離れてもらえれば尚良しだったんだけど。





予想に反して、マイキー君は無言だった。それどころか、どこか不機嫌なオーラまで流し始めて。



「――普段全っ然喋んねぇくせに、千冬のことになった瞬間マシンガントークかよ、」




……イマイチ彼の怒りポイントがよく分からない。もうちょいゆっくり話せと、そう言いたいのか？





「告白とかするつもりはないよ。そんなことして今の関係性が壊れるくらいなら、はじめっから何にもなかったことにして、今の千冬との関係を保ち続ける方が、よっぽど良い――……」

「だからもう千冬の話はいいっつってんだよっ！！」

「！」

いきなり怒鳴られて、思わず体がびくりと跳ねた。



「今はオレが(・・・)お前と話してんの。俺に集中しろよ」

あれれ？最初に千冬の話持ち出したのはどちら様でしたっけ。とか思ったけど、火に油を注ぐだけなので口にはしなかった。




なんか理不尽過ぎて逆にウケる。怒る理由が分からな過ぎてもはや自分が怖い。

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