Episode12 ページ14
夕食は、魚の塩焼き、大根の味噌汁、かぼちゃの煮物、白ごはんという、いたってシンプルな、それでいて美味しそうなメニュー。
かぼちゃの煮物を一口口に運ぶ。口内に程よい甘みがひろがって、懐かしさを感じさせる、いわゆる“おふくろの味”に、思わず口元が緩んだ。
「……おいしいです、とても」
「―――っ！え、あ……」
柔らかく微笑みかければ、撃ち抜かれたように動きを止める三ツ谷君。―――あー、これあかん系のやつだったかも。
自分の顔に関しては、自分が一番よく分かっている。鏡の前で色んな表情のパターンを考えて、これだけ聞くと超自分好きなナルシっぽいけど、日常生活無難に過ごすには超大事なんだ。
どんな顔をすれば、どんな印象を与えるのか、自分の顔については熟知しているつもり。
学校では基本的に、ちょっと作り物めいた微笑(私はこれをドーリースマイルと呼んでいる)を常に浮かべている。
……ほら、いつも笑みを湛えてはいるけど、ちょっと何を考えてるのか全然分からなくて、近づき難い雰囲気を醸し出すという、あの笑い。
研究結果によると、私の笑顔の中で一番破壊力強めなのは、自然と零れる微笑み、ナチュラルスマイルというやつ。それを今、三ツ谷君に向けてしまったわけで。
「……あの、三ツ谷君……」
「―――大丈夫、多分大丈夫だ。かなりぐらっとは来たけど、まだ惚れてねぇ。あともう一押しされたら簡単にコロッといくから、ちょっと耐えてる」
それはまたつらい思いをさせてしまってるな。申し訳ない。
暫く顔を手で覆って天井を仰いでいた三ツ谷君は、ゆっくりと体勢を元に戻す。
まだじんわり頬は赤かったけど、もう大丈夫……なのか？
その後もいろいろと危ない状態に陥ったことはあったけど、決定的なところまではいかなかった。良かったぜ、ふぅ。
「オレだから耐えれたけど、マイキーとかにはあんま見せない方が良いんじゃねぇか？――あいつ多分、簡単にお前に惚れるぞ」
「お、おお……」
これはまた厄介だな。……よし、なるべく出会わないように――――は、難しいので、出会っても極力避けれるように頑張る。
三ツ谷君の家でご飯を食べた後、家に帰ったらお母さんはもう帰ってきていた。
今日は実に、有意義な時間を過ごしたのではないかと思う。こういう日は猫と遊んだ後、早く寝よう。
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雨降り星(プロフ) - れななさん» 凄い嬉しいです！！はい！花子くん大好きです！！ (2022年3月2日 21時) (
レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
れなな - 今日初めて読んだんですけど、もっと早く読んでたらなあ、、って思いました(*´ω`*) もしかしてなんですけど、花子くん読んでますか？？違ったらごめんなさい。 (2022年2月27日 17時) (レス) id: 4324c59b1c (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - らんさん» 結婚しましょう！？！？いつもありがとうございます、これからもぜひぜひよろしくお願いいたします！💕💕💕 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - チョコプリンさん» それはすごい良かったです！毎度毎度コメント励みになってます、ホントにありがとうございました🥰🥰🥰 (2021年11月16日 20時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
らん - コメントするのが遅くなってしまいました😭😭完結おめでとうございます！雨降り星様安定で大好きです😍隣の天使も更新楽しみにしてます~！！！ (2021年11月16日 20時) (レス) @page47 id: 6288d5ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年10月10日 11時
