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ここまでくると最早尋問である。自分よりも体格の大きい男3人に囲まれて、私には話さないという選択肢なんて残されてませんでした。
「万次郎はその……割と、ゆっくりするタイプというか……」
「なるほどー、前戯に時間をかけるってことか」
「へぇ意外、すぐに本番入んのかと思ってたけど」
「あとは、体力が、凄く、あるみたいで…」
「あーね、1回1回に時間かけるくせに、何回もするとか……鬼畜かよ」
「道理で毎朝、Aがクタクタに疲れ切った顔してんのか」
……この兄弟、何気にうざいな。敢えて抽象的な言葉を使って遠回しに言ってるというのに、いちいちいらんコメントを返してきやがる。
―――そしてさっきから無言の春千夜についてもすごく気になるんですが。
ようやく口を開いたかと思えば、
「―――マイキーがそこまで夢中になるってオンナ、オレも味わってみてぇ」
舌なめずりをしながら、じろじろと全身を見回すような視線に、背筋がぞわりとした。
「やめとけ三途、ボスに殺されんぞ〜?」
「お前が怒りを買って死ぬのはどうでもいいけど、オレらにまで飛び火が来るからな」
兄弟の窘める声にも、春千夜はまだ納得してない様子。
「マイキーばっかズリーだろ。……オレだってホントは、昔から、」
「春千夜?」
いつもへらへらして頭おかしいとしか思えない春千夜が(ひどい)、始めて素の感情を見せた瞬間のようにも見えて。
「――――なんでもねぇよ」
フイっと顔を背けられた。
「こりゃ相当拗らせてんな」
「だな、兄ちゃん」
2人の会話も訳分かんない。
「それにしても、Aちゃんみたいな純粋で綺麗な女の子が、オレらみたいなまーっくろに汚れた悪い大人と一緒にいてもいいわけ?」
「そんな中にいても染まらずにピュア保ってるとか、もはや異常じゃね?珍獣かよ」
………竜胆に珍獣扱いされたのは納得いかないけれど。
「私が、自分で決めたことだから。これから先何があっても、万次郎と一緒にいるって、自分の中でそうやって決めたから。――――後悔なんか、しないよ」
それだけははっきりと、言い切れると思う。
私の言葉に蘭は小さく口笛を吹き、竜胆は少し呆れたように口元を緩め、春千夜はまるで何か眩しいものを見つめるように、目を眇める。
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ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです!みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。!ありがとうございます!! (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません!完結おめでとうございます! (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか?あと最っっっっっっ高です! (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月25日 14時