04 ページ29
ヒマだなー…。
基本的に外出することはない。顔を見られると厄介だからというのが主な理由。
しかし今日万次郎は、○○組の連中と取引がある、とか何とか言って、昨日の夜遅くに出て行ったっきり帰ってこない。
春千夜は別の仕事があるらしいし、九井君や鶴蝶君は忙しそうなので、申し訳なくて話し相手になってと頼むこともできない。
一人の時間は嫌いじゃないけれど、こう何もすることがないとウンザリしてくる。
図書館に行きたい。一日中本にうずもれて、好きな本を読みふけっていたい。コッソリ抜け出しちゃおうかな、と考え始めたあたりで、
「ヒマしてんのか〜？」
「俺らが話し相手になってやろうか？」
突如として現れて、私の両隣りに腰を下ろした二人組。言わずもがな、灰谷兄弟である。
…うーん、話し相手は確かに欲しかったけど、彼らは望んでいなかったかも。
若干身を強張らせつつ、何を話すのだろうと思考を巡らせて、
「ぶっちゃけ、
「…ぶっ、」
口に含もうとしていたお茶を、思いっ切り吐き出した。
…え、そういう話題って普通、そんな赤裸々に話すものなのか！？
「兄貴…」
竜胆が、兄に対して呆れたような視線を送るけれど、対する蘭はどこ吹く風といった様子。
「いや、何でそのようなことを…」
「え〜だって気になるじゃん？普段無愛想で、無口な無敵のマイキーの夜のカオ♡」
「流石に、それは…」
「教えてくれないなら、オレ、今ここであんたのこと襲うかも」
コイツ酷い。今万次郎がここにいないこともちゃんと分ってて、そんなことを言うなんて。
「あんま無茶言うんじゃねぇよ、兄貴。…まあ俺も気になるけど」
アンタも気になるんかい。
「俺も混ぜろよォ、勝手に話進めてんじゃねーよクソ兄弟」
突如として割り込んでくる第三者の声。びっくりして声が聞こえる方向を向けば、そこには仕事とやらに向かったはずの春千夜の姿が。
「三途、お前仕事は？」
「んん〜？取引失敗」
竜胆の訝しげな声に、春千夜は銃をちらつかせて答える。……それだけで、何があったのか分かってしまった。やはりここは犯罪組織なんだと、改めて認識して。
「んで？―――俺にも聞かせろよ、
ニヤニヤとした笑みを顔に張り付けながら、春千夜はそう言った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1301人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです！みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (
レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。！ありがとうございます！！ (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません！完結おめでとうございます！ (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか？あと最っっっっっっ高です！ (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月25日 14時
