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唇が、溶けてしまいそうなほど熱い。口内で淫靡な蜜音が響くたびに、蕩けるような快感が走って意識が飛びそうになる。
万次郎の手が優しく頬を撫でる。そうかと思えば、おとがい、首筋と徐々に下へと下がっていく。経験のない私でもこれから何が起こるのか、はっきりと分かった。
すぐ後ろには大きなダブルベッド。私の腰をもう片方の腕で支えている万次郎が、ゆっくりとベッドに私を横たえて。
一度唇を離した後、射貫くような漆黒の目で、私をじっと見つめる。その目は、抑えきれないほどの熱を帯びていて。喰われてしまいそうな錯覚に陥り、ゾクリとするけれど、それは決して不快ではなかった。
「―――好きだA、愛してる。だから、」
してもいいか？と、言葉にこそしなくても、その表情が、何よりも雄弁に物語っている。
だから私も、“どうぞ”なんて言わずに、ただそっと、瞼を閉じる。……それが、始まりの合図だった。
「うぉ…これはきつい」
次の日の朝。窓から差し込む朝日で目が覚めた。隣には勿論、一糸まとわぬ姿で眠りこける万次郎の姿が。私もだけど。
何となく体はだるいけれど、それよりも目につくのは、体中余すところなく付けられた赤い跡。…いわゆる、キスマークというやつ。
「ホント、がっつきすぎ」
最低5回は求められた。しかもそれは、私の意識がある状態で、だ。この細い体にどれだけのエネルギーがあったんだろう、とつくづく不思議に思うけれど。
ぺしこん、と軽く額をはたいても、全然起きる気配はなし。
「……服着よ」
傍にあった自分の服をすべて身につけた後、もう一度ベッドにダイブする。
「起きろー万次郎！もう朝だぞー？」
「んぁ…」
眼をこすりながらも、ゆっくりと目を開ける万次郎。しぱしぱと何度も瞬きをしている。そして、
「―――」
「うっひょえっ！？」
急に引き寄せられて抱きしめられ、奇声が洩れる。ちょっと待って素っ裸の状態で抱きしめられても困るんだけど。
「……Aがいる。オレの隣にいてくれてる」
幸せそうに微笑む顔を見せられたら、何も言えなくなってしまうではないか。
とりあえず、万次郎に服を着させた。
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ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです！みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (
レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。！ありがとうございます！！ (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません！完結おめでとうございます！ (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか？あと最っっっっっっ高です！ (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月25日 14時
