☆番外編 ページ18
その日の放課後、体育館倉庫に来るようにと人づてに言われた。
何で私が行かねばならんのだ。体育委員でもないのにさ。…まあ多分、体育の女の先生とそこそこ仲が良いからじゃないかと思うけど。
「失礼しまーす…」
扉を開けたけれど、先生が出てくる気配はない。
間抜けにも一人で倉庫に入っていったAの背中を見送って、ひよりは小さく笑みを浮かべる。勿論、体育の先生がこのことを知るはずがない。
中にいるのは、ひよりと協力関係にある男子6人。みな、過去にAに振られた経験があり、彼女に対して今も負の感情を抱き続けている。
昏い欲望を滾らせた男子6人にかかれば、華奢なAなどひとたまりもない。
「うひょえっ！？」というAの奇声が聞こえてきた。きっと今始まったんだろうと、ひよりは陰で聞き耳を立てながら考える。
ドゴ、バゴ、という、何か鈍い音が響いている。恐らくAが抵抗したときに腕や足が床にぶつかる音だろうと推測を立てるが、少し違うような。
―――急に倉庫内が、静かになった。訝しく思うも、中をのぞくわけにはいかない。と、
(うそ、三ツ谷君！？)
焦ったような顔をした彼が、凄い速さでこちらに向かって来ていた。身を隠しているので、バレることは多分ないけれど。
暴走族の弐番隊隊長だと聞いたことがあった。かなり強いであろう彼は、Aの危機を察してやってきたのか。
(Aちゃんのことしか、頭にないの…っ？)
憎悪の対象は、どこまでもAを想う三ツ谷ではなく、その想いを向けられるA。なぜ、なぜ、アイツばっかり。
ズリ、ズリリと、何か重たいものを引きずるような音がして。ガラガラとドアが開く。
「ん、しょっと」
(――――は？)
――――開いたドアから顔を出したのは、Aだった。
(有り得ない、信じられない！)
Aの手にはロープの先が握られており、その反対側に縛られていたのは、原形をかろうじてとどめているが、気絶した男子6人。どれも、見覚えがある。
「お前さ、急に電話してきて『やっちゃった』とか言うから、マジでビビったんだけど」
「この人達、急に襲い掛かってきたから、思わずぎったんぎったんにしてしまった」
「…殴ったのか？」
「うん。あと何人かサマソもくらわしたよ。―――大丈夫、骨は折ってない…はず」
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ミツキmitsuki(プロフ) - さいっこうに面白かったです！みんなの特徴を捉えてて、本当にすごい… (12月30日 14時) (
レス) @page44 id: 75866be232 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - 三ツ谷君かっこよすぎです。。。。。この作品に出会えてめちゃくちゃ幸せです。。。！ありがとうございます！！ (12月28日 1時) (レス) @page44 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 隆が男前すぎてキュンキュンが止まりません！完結おめでとうございます！ (7月8日 9時) (レス) @page44 id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - ドラケンがいない気がするけど気のせいでございましょうか？あと最っっっっっっ高です！ (2022年9月9日 18時) (レス) @page44 id: f72f202f06 (このIDを非表示/違反報告)
shoko0619(プロフ) - この小説大好きすぎます。大好きです。消さないでください。 (2021年12月31日 9時) (レス) id: 9301928d42 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月25日 14時
