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千冬は先程からずっとソワソワしていた。今日はある人物と待ち合わせをしているのだけれど、その待ち合わせ人物というのが、初恋の人。



もう十数年も会っていない。中学生の頃からずっとずっと好きだった。今でもまだ、夢にまで見るほどに。



彼女の姿は思い出の中で美化され、今でも千冬の中で大きな存在になっている。
…だから少しだけ、怖かった。実際の彼女が、想像とはあまりにもかけ離れていたら。自分は果たして、それを受け入れることは出来るのだろうか。



定めていた時間より、30分以上も早く着いてしまったのも、きっとそのせい。
もうそろそろだなと、先程から何度目かになる腕時計を確認して…



ポンポン、と遠慮がちに肩を叩かれる。

「……千冬で、合ってる?」


透き通る銀鈴のように、涼やかで可愛らしい声音。

弾かれるように振り向いて、千冬は、自分の杞憂が一体どれ程バカげていたのか、思い知らされることになった。




腰まで伸びた、亜麻色のサラサラのロングヘアー。零れ落ちそうなほど大きいカラメル色の瞳と、赤い唇。肉眼でも分かる化粧っ気のない素肌は、十代の少女のようになめらかで、シミ一つない。



華奢な肢体は相変わらず、頭の先から爪先まで、どこをとっても美の塊でしかない。あの頃と違うところと言えば、その無邪気な愛くるしさが、しっとりとした大人の色気も兼ね備えるようになったぐらいか。


「!―――ハイ、Aさん!!」


彼女―――椎名Aは、夢で描いていた以上の姿で、その場に現れた。






「えっと…久しぶり」

「ハイ!」

「千冬も、大きくなったね」

「Aさんは相変らず、綺麗ですよ」

「そうかな……」


何となく気まずい。千冬は純粋に再会を喜んでくれているみたいだけど。
私だって、嬉しくないというわけではない。12年前、目に入れても痛くないぐらいに可愛がっていた後輩だから。嬉しくないはずがない。



出会ったのが夕方なので、そろそろお腹がすいてくる。それを敏感に感じ取ったのか、

「飯、食いに行きませんか?」と言ってくれる。

「うん、行く」

「良かった!お薦めのところがあるので、そこ行きますね」

「うん、ありがとう」

感謝の意味を込めて微笑めば、照れたように頬を掻いて歩き出す。

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- え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時

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