それぞれ46 ページ46
「その理屈でいくならさ、Aはオレの所有物っつうことになるけど」
「……へ？」
「―――Aに最初に話しかけて、Aの可愛さを一番最初に見出したのは俺だろ？」
「……え、そうなの？」
何か謎に気恥ずかしいエピソードを、「だろ？」って言われても困る。
「ってことでAはオレのモン」
「―――それは無理っス。Aさんの色に染まるのはオレです。Aさんの、色に……っ‼」
……千冬、自分で言った発言に自分で赤面するのはやめよう、な？
そして二人とも、さっきから微妙に食い違った会話してるけど、お気付きなんでしょうか。
「Aー、オレのチョコは〜？」
……吞気な声で乱入してきた万次郎に、これほど感謝したことは今までなかったと思う。
初詣以来、何となく顔を合わせて言葉を交わすことに躊躇いを思えるようになって。
どうやら私の方だけっぽいけど。
「はい、ちゃんと用意してあるよ」
「ヤッタ、俺の大きいじゃん！……これ、ちゃんと甘いか？」
「そう言うと思って、万次郎のはたっぷり砂糖まぶしてあるから。甘ったるいと思う」
「へへ」
嬉しそうにそれを抱きしめる万次郎。……これはほっこりムード狙えるのでは？
ピリピリとしたムードにある隆と千冬を、和解させられるのでは――――
「あ、それとさ、さっきお前らが話してたことだけどさ、Aはオレのだぞ？」
おおい！？なんでわざわざ、既に大きくなってた炎にガソリンまくような真似するんだテメエは！？
「俺が総長だし。三ツ谷のモンってことは、結果的に俺のモンだし」
……もうええわ。私はあいにく、千冬みたいに誰かの所有物になりたい願望ある人間じゃないから。
ワーワー言い争い始める3人を横目に、小サイズのチョコをいっぱい配っておく。
「はい、ムーチョ君も」
「おー、ありがとな、わざわざ」
「春千夜もどうぞ」
「…………」
無言で奪い取るように私の手からかっさらっていく春千夜。お礼くらい言えや。もういいけど。
「――もっとデカいのよこせ」
「……は？」
「こんなんじゃ全然足りねぇよ、馬鹿にしてんのか？」
…やばい、プッツンしそう。ムーチョ君がちょっとどこかに行った瞬間に調子に乗り始めやがって。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2795人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ま - え、これって駿台模試の英文ですか！？ (2022年5月22日 13時) (
レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます！ (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない！各々のエンド作って欲しいです（土下座（願望なだけなのでご無理はなさらなず） (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月3日 9時
