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竜胆side


モグモグと可愛らしくラズベリーソースのケーキを頬張るAを眺めていたら、メールの着信音が鳴って。


兄の蘭からだった。


『今どこ?』という質問に対し、店の名前を返せば即、『女?』と返ってくる。
普段はのらりくらりとしている癖に、こういうときだけ謎に鋭いことに腹が立ち、舌打ちをしそうになるのをAの前だからという理由で抑えた。





違ぇよ、と適当にメールを返したところで…………ぽすっと二の腕に重みがかかった。

それから、甘い匂いがふんわりと香る。
突然の接触に、まさかと恐る恐る横を見れば……瞳を閉じたAがこちらに寄りかかっているではないか。



(―――待て待て待て)
声には出さなかったが、竜胆は相当うろたえていた。


先程から少し眠たそうにはしていたが、まさか、隣で、それも寄りかかって寝るなんて、誰が想像しただろうか。



確かに、寝不足だとは言っていた。その状態で街を歩き回って、睡魔に抗うほどの体力を失ってしまったのかもしれない。


理由は、分かる。
分かるが、よりによってこのタイミングで寝落ちするとは。


竜胆に寄りかかって眠るAは、竜胆の狼狽や混乱など知らんと言わんばかりに実に安らかな寝顔を見せている。
長い睫毛や整った鼻梁も赤色の唇も、無防備にさらされている。




「A、起きろ」

軽く肩を叩くが、覚醒の気配はない。意識したくないのに、否応なしに彼女の感触に集中してしまう。

ほっそりした体は引き締まっているのに女性的な柔らかさを残していて、特に、触れ合った胴体からは見た目以上の質量のあるそれを感じてしまい、竜胆の理性をがりごりと容赦なく削っていた。



兄ほど女慣れしていないどころか、むしろそこまで女性経験はない方である。
……海でのあの行動は、彼女のあまりにも煽情的な姿に、クラっときて少し暴走しただけで。



(―――どうすりゃいいんだ)
これからの手段が思いつかない。しばらく目覚めそうにもないし。



「…取り敢えず、俺ん家連れてくか」
下心は全くない………とは言い切れないが、何かして修復不可能なほどに嫌われるのも嫌だ。



背中に負ぶった体は、羽のように軽いとは言わないものの、やはり軽かった。
規則正しく聞こえてくる寝息に、少しだけ頬を緩ませる。

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- え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時

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