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動けないのにもかかわらず、必死で逃れようとするから、必然的に私の体はエビぞりに。
机の上に上体を預けることになれば、隆も私の上に覆いかぶさってくる。
机の上に膝を置かれて、今にも引っ付きそうな距離感に、心臓がズンドコズンドコ暴れ始めた。
「ちょ、隆、こんな机の上で何をするつもりなのかは分かんないけどさ、何をするにしてもこれはダメだって!…こんな、ところで、」
「A」
「はひっ!」
我ながら情けない声が洩れる。隆は相変わらずの優しい笑顔なんだけど、若干威圧感があるように見えるのは果たして気のせいなのか!?
「ちょっと黙ってような?」
「はぃぃ…」
はい私のバカー!…いや、だってさ、無理なんだよ。隆の目の中に私が閉じ込められているのを見ると、もう抵抗する気力が失われてしまうというか。体中から力が抜けて、全てを受け入れようという気にさえなってしまうというか。
なけなしの最後の抵抗すら儚く砕け散ったと見えるや、隆はぐんっと一気に体重をかける。それでも、私が苦しくないように、配慮されてることだけは分かった。流石スパダリ。
「……可愛い、」
溶けてしまいそうなぐらいに熱を帯びた瞳で、恍惚とした表情で、隆はそんなことを言う。
―――もういいや。隆にだったら、何されてもいい。覚悟を決めて、ギュッと目を瞑って、
「やばいやばい、明日までの数学の宿題、学校に忘れるとこだっ……………え?」
「――へ?」
「ん?」
―――ちょうどそんな時だった。部活帰りなんだろうか、体操服をきた同じクラスの女の子が、慌てたようにドアを開けて教室の中に入ってきたのは。
「「「・・・」」」
3人してしばらくの間フリーズする。まるで時間が止まってしまったんじゃないかと、そう思ってしまうぐらいに。
女の子の視線がゆっくりと、私と隆を交互に動く。机に押し倒されてる私。そんな私に覆い被さる隆。………うん。
「すすすすいませんでしたああ、お邪魔してしまい!!ど、どうぞごゆっくり!!」
「待ってええ、これは誤解なんです、とんでもない誤解で、」
時すでに遅し。目当てのものをゲットした彼女は、マッハの勢いで廊下を走っていく。
…ハハ、これはもう詰んだわ。
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ま - え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時