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「ああああ…」

頭を抱えてそのまましゃがみ込む。



――――キスしてしまった。万次郎と。…短期間に、二人もの男の子と。




隆とも、万次郎ともキスした?―――私が?

「ああ有り得ない信じられない考えられない、どうしよう…」




色恋に関して、ふしだらな女になるのだけは嫌だった。嫌だったというのに。
…実際自分は、決して自分からしたわけではないけれど、二人の異性と唇を重ねて。




「…そんな落ち込まれると、傷付くんですケド」

「ヒッ!?」


いつの間にか前に回り込まれていて、顔を覗き込まれてビックリした。



「ごめん、一旦タンマ」

「は?…ちょっ」

――――逃げた。嫌だってコレは逃げる一択しか残されていないでしょ。超走りにくかったけど、猛スピードで全力疾走した。…いや、逃げたんじゃない、戦略的撤退である。断じて、後からじわじわ恥ずかしくなって逃げたとか、そんな恥ずかしい行動ではない。ないったらない。









人混みをかき分けて走って走って、見慣れた顔を見つけたからそのまま飛びついて深呼吸する。



「…うぉ、ってA、俺はお前のことずっと探して…」

「隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆隆」

「―――どした?そんな呼ばなくても、聞こえてっけど」



ちょっと怒ったように眉を上げていた彼だったけど、私の様子が異常であることに気が付いたのか、途端にふにゃっと眉を下げて、心配そうにこちらを見つめる。


そんな隆に心の底から安堵して、もう一度抱きついた。



「隆、私の傍から絶対離れないでね。ずっとずっと一緒にいてよ」



束縛彼女チックな発言になったのは許してほしい。


「おー、言われなくてもそうするつもりだけど。…ってか、勝手にどっか連れてかれたのはAじゃねぇか」


照れくさげに頬を掻いた後、思い出したように不機嫌になるけど、しっかり手を握ってくれるところが優しい。




その後も冷やかされたり、千冬にジト目を向けられたり、万次郎に見つかったりして色々あったけど、何があっても私は隆に引っ付いたままだった。



…隆に対して、酷なことを行っている自覚はある。はっきりと恋愛感情を持っているわけでもないのに引っ付いたり、抱きついたり。




それでも、許されることなら、今のままの関係性でもう少し居たい。
そう願うのは、果たして悪いことなのだろうか。

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- え、これって駿台模試の英文ですか!? (2022年5月22日 13時) (レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます! (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない!各々のエンド作って欲しいです(土下座(願望なだけなのでご無理はなさらなず) (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月3日 9時

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