それぞれ26 ページ26
…結局クリスマスは、急な用事が入ったとかでデートはおじゃんになった。何となく残念だったけど、まあ仕方ない。
実はその日、黒龍との抗争的なものがあったらしく、駆けつけたらボロボロだったのはびっくりしたけど。タケちゃんとヒナちゃんも無事仲直りしたみたいだし、良かった良かった。
そして迎えた12月31日。和装して新年を迎えることとなった東卍メンバー達だが、その中で三ツ谷はひたすらに、誰かを探すように辺りを見回していた。
「どうしたんだよタカちゃん、そんなソワソワして」
「いや…別に、」
「？―――！分かった、Aだろ？」
ピタリと思っていたことを当てられて、三ツ谷はそっぽを向いて頭を掻く。
「ふふん、なるほどなぁ、Aの着物姿を見たいわけだ。…タカちゃんもそういうとこ、ちゃんと男だよな〜。…A、もうすぐ来るって言ってたぞ」
「…うるせーよ。ってか何でお前が、Aと連絡とってんだよ」
極度の奥手な八戒であるが、何故かAとは出会って一週間で喋れるようになったのだとか。
もうとっくに1月1日になっており、絵馬も書き終えた。主たる東卍メンバーもほぼほぼ集まっているというのに、一体Aはいつになったら来るのか。そう、もどかしく思ったところで、
「お待たせー、いやぁ、人多いね。っていうか眠い。なんでこんな早くからくる必要が」
聞きなれた涼やか声音と共に、軽く手を振りながらやって来る人影。
紛れもなく、それはAであって。
その場にいた誰もが、彼女の姿を一目見た瞬間、呆けたように動きを止める。三ツ谷も勿論その中の一人。
「どうかな、これ。いとこのお姉さんが、一度も着ないままサイズオーバーしちゃったらしくて、貰ったんだけど」
振り袖は人混みでは動きにくいから小紋にしたのだろうか、淡いピンクを基調とした梅柄の小紋は、Aが持ち主なのではないかと思うくらい着こなしていた。
普段から割と薄いピンクを好んで着るAだが、上品さの中にもフェミニンさを香らせている。色素の薄い髪は横髪が残されて、あとは上で簪によってまとめられている。真白なうなじやしゃらりと揺れる飾りが女性らしさを際立たせていて、何とも色っぽい。
元の美しさを引き立てるようにほんのりと施された化粧も相まって、これ以上になく清楚美人といった雰囲気を醸し出していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2795人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ま - え、これって駿台模試の英文ですか！？ (2022年5月22日 13時) (
レス) @page15 id: 8b077b9bca (このIDを非表示/違反報告)
わたし - まって、私坂本なんだけどw (2022年5月11日 17時) (レス) @page6 id: 4ecae0ff80 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - シュウさん» そうなんですよ…時間があればいろんな人のエンドつくりたいとか思うんですけど、話数的に厳しかったり…(´・ω・`)楽しみにしてくださってありがとうございます！ (2021年9月28日 7時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
シュウ(プロフ) - 夢花さん» この作品いつも楽しみにしています。三ツ谷も千冬もマイキーも選べない！各々のエンド作って欲しいです（土下座（願望なだけなのでご無理はなさらなず） (2021年9月28日 4時) (レス) id: ad2f2b2a8f (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 千冬…………まぁ、可愛いければなんでもいいよね!!!うん!!! (2021年9月24日 18時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月3日 9時
