たらたら43 ページ44
―――凄まじく、悪寒が走った。
万次郎の声には、怒りも、憎悪も、殺意も、どれも感じ取れなかった。ただひたすらに、瞳も声も無機質で、だからこそ異様に恐ろしい。
「お前さ、まだ足らねェの？」
「―――は？」
「…兄貴を殺して、場地を刺して、なのにまだ俺から…奪うのか？Aを、オレのモンを盗って、それで満足かよ？」
――万次郎の声は震えていた。それは決して、悲しみや怯えからくるものではない。そこにあるのは、ただひたすらに純粋な憎悪と、壮絶な怒り。
「万次郎？いや、さっきから何を言って、」
「もういい」
私の言葉を遮って、冷たく吐き捨てる。何がもういいのか。
「――――オマエに奪われて壊されるぐらいなら、いっそのこと、オレがこの手で殺してやる」
「……へ？――ぁ、ぐ」
言葉の意味を理解する間もなかった。気が付けば、頸に回った万次郎の両手。ゆっくり、じわじわと、しかし確実にその手は、ギリギリと喉を締め上げていく。
「やめっ…はな、し―――か、ふ」
「誰かに渡すぐらいなら、オレが、オレが…」
苦しい。息ができない。視界がぼやけて、意識が霞み始める。
「やめろ！！マイキー!!!」
「やめてください、マイキー君！」
「Aさん！！]
隆と、タケちゃんと、千冬の声が、どこか遠くで聞こえた。
「―――Aは関係ねぇだろ？マイキー。俺ら二人で決着つけようぜ」
後ろ襟を乱暴に掴まれ、引き戻される感触。死へ導く両手から解放されたかと思えば、そのまま後ろに投げ捨てられて。
地面を擦りながらも、何とか咳込みながら上体を起こせば、ぽたりと赤い液体が地面に垂れた。額に手をやれば、ぬるりとした感触。どうやら地面にこすれた時に、砂利で額を切ったらしい。前際の生え際当たり。この辺は皮膚のすぐ下に血管が通っているので、少し切っただけで出血しやすい。
傷口の大きさは3�个阿蕕い世隼廚Α８�た目はひどいけど、大したことはない。どちらかというと、ほっぺたにできた傷の方が、流れる血は少ないけどジンジンする。
やり方は乱雑だけれど、一虎に助けられたみたいだった。そんな彼に馬乗りになって顔面を殴りつける万次郎。―――そしてその時、吐血して今まで倒れていた場地が不意に立ち上がって。ゆっくりと降りて来るその姿に、誰もが釘付けになった。
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キャラメルシュガー(プロフ) - まって..wwこのお話面白すぎて夜中なのに爆笑してしまったwww作者さん神‼️ (2022年8月18日 0時) (
レス) @page18 id: 9b02bb5cbf (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - 全部千冬が引き継ぎます!! (2021年9月3日 10時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - あとなんか知らんけどバジリスクが4ぬとこめちゃ冷静でした丸 思い言え無くて残念だったねバジリスク…君の無念はきっと千冬が果たしてくれるよ多分！ (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - なのはさん» なんか壮大なストーリーが始まる予感…っ!! (2021年9月3日 9時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雨降り星さん» そう…これが…黒い衝動の始まりだった…(((おやめなさい (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年8月21日 0時
