たらたら36 ページ37
「Aー、ねむい」
「眠いのは十分分かったからお願いだから道端で立ったまま寝ないで」
所かまわず寝るあたりが誰かさんを彷彿とさせるけど、その誰かさんが一体誰なのかは今は置いといて。
「A、おんぶ〜」
「いや無理。それをしたら私の骨という骨全てが悲鳴をあげる」
今こうやって凭れ掛られてるだけでかなりしんどいというのに。
「オレ、そんなおもい?」
「男の子にしては華奢な方だとは思うよ?たださ、女子と男子の超えられない体格の差ってあるよね」
そりゃ私も、パ―ちんと一虎どっちかおんぶしないと殺すって言われたら迷わず一虎を選ぶけどさ。パ―ちんおんぶしたらそれこそ粉砕骨折するわ。
「取り敢えず、自転車の後ろ乗せたげるから」
「んー」
容量完璧にオーバーしてますけどね!何なら後輪パンクするかもだけど、おんぶするよりマシ。
「そこ右曲がって、まっすぐ進んで」
「はいな」
何か小間使い的なことさせられてる気がするのは果たして気のせい?
「Aー」
「うわっ、ちょっと、運転してる時に背中に引っ付かないで!」
「…Aってさ、何か母さんみたいだね」
やだわ。こんな息子絶対やだわ。お金払ってもらってもやだわ。
「何だかんだ優しーし」
「あ、そう?それはどーも」
「ま、オレのタイプじゃねぇけど」
「結構です」
短く返せば、なんだよー、とか言いながら足をぶらぶらさせるけど君、今自分が自転車の後ろに乗せてもらってること忘れたのかい?私の神業チックな自転車運転技術をほめてほしい。
「あ、ここでいいよ」
何だろう、ここ。ゲームセンターみたいだけど、もう潰れてるんじゃない、ここ。
変な絵が落書きされてる。首のないキューピット。…こわっ、どっかに幼児の生首転がってるってことでしょ。本気で夜トイレ行けなくなる案件じゃん。
すたっと軽やかに自転車を降り、小首をかしげてほんのりとほほ笑む。
「ありがと」
「どういたしまして」
帰り自転車屋寄って、空気入れてもらおう。
「A、」
「ん、何?」
「またネ♡」
鈴の形をしたピアスが、りりん、と涼やかな音を立てる。
再び自転車にまたがって遠ざかる私を、一虎はじーっと見つめていた。
2482人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キャラメルシュガー(プロフ) - まって..wwこのお話面白すぎて夜中なのに爆笑してしまったwww作者さん神‼️ (2022年8月18日 0時) (レス) @page18 id: 9b02bb5cbf (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - 全部千冬が引き継ぎます!! (2021年9月3日 10時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - あとなんか知らんけどバジリスクが4ぬとこめちゃ冷静でした丸 思い言え無くて残念だったねバジリスク…君の無念はきっと千冬が果たしてくれるよ多分! (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - なのはさん» なんか壮大なストーリーが始まる予感…っ!! (2021年9月3日 9時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雨降り星さん» そう…これが…黒い衝動の始まりだった…(((おやめなさい (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年8月21日 0時