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たらたら46 ページ47

次の日は普通に、土曜日だったので朝から図書室で借りた本を詠みながら、だらだらと怠惰な生活を送っていた。



別にいいじゃないか、両親も仕事でいないわけだし、ちょっとぐらいゴロダラしたって。ソファーに寝っ転がってグミを時折ほおばりながら、本に目を通す。



ピンポーン、とドアベルが鳴った。まったく、せっかくいい所だったのに。あともうちょいで密室殺人事件の犯人が分かるっていうのにさ。



「はーい」

ちょっと気だるげな声になったのは仕方ない。よしょ、と重い金属の扉を開けて、


「――――A、」

「まん、じろー…」


そこに立っていた人物に、思わず体が強張ったのが分かった。あの日以来、万次郎とは会っていないし、言葉も交わしていない。


単純に偶然と言えば偶然だけど、私の中にも、彼に会いたくないという気持ちがあって。それは確実に、あの日万次郎にされた行為への恐怖からくるものであって。



「ちゃんと、二人で話したかった」

「……」

「今少し時間あるか?オレ、あの時のこと、謝りたくて――」


万次郎が私に向かってスッと手を伸ばす。―――その伸ばされた両腕を、私は無意識で振り払ってしまっていた。


「…っ、A?何で…」

「――ごめん、今日はちょっと、話せそうにないや。…だから、本当に申し訳ないんだけど、今日はもう…帰ってほしい」

「――は?何でだよ、そんなにオレのことが…嫌いに、なったのかよ?」


万次郎の顔が、絶望したように歪む。それに少しだけ罪悪感を感じつつも、


「好き嫌いの問題じゃないから。――今はちょっと、無理なだけ――……っ!?ちょっと、やめて、」


言葉を言い終えるか終えないかという時に、強引に引き寄せられて抱きしめられる。
唐突だったのと、その力があまりにも強かったのとで、思わずジタバタと暴れてしまう。



しかしそんな抵抗もむなしく、体を締め付ける力は一層強くなるばかりで。これは本気で一発ぶん殴った方がいいのかと考え始めて、



「―――Aに嫌われるぐらいなら、死んだ方がマシだ」




強張った、それでいて少し震え気味のその声に、ストンと脱力してしまった。
そうだった。彼、万次郎は、私に嫌われ、拒絶されることを何よりも恐れている。それは少し異常なほどに。

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キャラメルシュガー(プロフ) - まって..wwこのお話面白すぎて夜中なのに爆笑してしまったwww作者さん神‼️ (2022年8月18日 0時) (レス) @page18 id: 9b02bb5cbf (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - 全部千冬が引き継ぎます!! (2021年9月3日 10時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - あとなんか知らんけどバジリスクが4ぬとこめちゃ冷静でした丸 思い言え無くて残念だったねバジリスク…君の無念はきっと千冬が果たしてくれるよ多分! (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - なのはさん» なんか壮大なストーリーが始まる予感…っ!! (2021年9月3日 9時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 雨降り星さん» そう…これが…黒い衝動の始まりだった…(((おやめなさい (2021年9月3日 9時) (レス) id: 4035e5a938 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年8月21日 0時

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