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Episode9 ページ10

…チッ。生き物を観察することの何がいけない。そんなんだから私に名前を憶えてもらえないんだ。





「テメェ、こんな時にアリ観察するとか、フザけてんのかぁ?あァん!?」

変な黒髪ロン毛野郎がなんか言ってる怒ってる。



ワタシ、ロンゲ、キライ。
やっぱり、清潔感って大事だから。



自然かつ華麗にスルーして背を向ければ、誰かにガシッと肩を掴まれた。









松野千冬は、目の前の彼女の肩を掴んで、思いっきり引き留める。
場地を信仰する自分として、スルーするだなんていうAの行為は、流石に許せない。




「おいオマエ、場地さんを無視するとはずいぶんといい度胸してやがるじゃ…」

「……何?」

「―――ねぇ、です…よ。…はい」



黒くて大きい、吸い込まれるような瞳で見つめられて、何も言えなくなってしまった。
形のいい眉が訝しげに顰められ、その視線から逃れるように俯く。




真正面から見つめられると、どうしても頬が熱くなってしまう自分がもどかしかった。
…何せこの人、性格を考慮してもなおおつりがくるほどに顔が良い。





白雪姫と呼ばれる彼女の美貌は伊達じゃない。そう呼ばれる所以があるから、彼女は彼女たりえるわけだ。








…急に目の前でもじもじし始めたぞこの人。情緒不安定なんか?


「もういい、」

そして謎に割り込んで発言するヤツ。何がもういいんだろう。





「―――お前みたいな意地悪いオンナ、二度と俺らの前に顔見せんじゃねぇよ」



…知らん間に嫌われてたみたいです。でもいいや。もう二度と、この人の無茶ぶりに付き合わなくていいってことですよね?



「――次、何か朱里にしたら、許さねぇからな」

「うん」

ボールペン改造しただけでそんな言われる?若干心外だけどもう帰りたいので適当に頷いておく。





「ではではー、さいなら」
足取り軽し。お一人様バンザイ。素晴らしい未来が待ってるね、明日も頑張ろ。







――――スキップしながら帰るAを、複雑そうに見つめるメンバー達であった。

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グラニー京子 - 面白かった! (2022年4月4日 14時) (レス) @page38 id: 90faee3a30 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ふゆきさん» 朱里ちゃんそこまで気に入っていただけるなんて…!番外編、楽しそうなんですけどね… (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - わかめさん» 返信遅くなってすいません!…ええっ、ほんとですかめっちゃ嬉しいです是非是非見てみたいです!! (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ももさん» ぐへへ、ほんとですか?←きも 愉快になっていただけたら嬉しいです! (2021年12月30日 23時) (レス) @page37 id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき - 主人公ちゃんと朱里ちゃんの絡みが凄い好きです!番外編とかでみんなの日常編みたいなの作って欲しい… (2021年12月30日 9時) (レス) @page38 id: 0daf234829 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雨降り星 | 作成日時:2021年9月13日 23時

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