Episode16 ページ17
万次郎side
あの後朱里から、別に無理矢理代金を支払わさせられそうになったわけではないと、そう教えられた。誘われたから、ついていったのだと。
優しくてか弱い朱里のことだから、きっとしぶしぶついていったのだろう。
強引なAに少し腹が立つが、さすがに濡れ衣で責め立てたのは悪かったと、思った。
次の日の朝の学校で、万次郎は、一人黙々と授業の準備をするAの元へと近寄る。
「…オイ、A。あのさ、昨日は―――………」
「うっさい。自分が関わるなとか言ったくせに、いちいち絡んでくんな、バカ！！」
一瞬時が止まったのかと錯覚するほどの衝撃。
あのAが、どんな時でも真顔or無表情なAが、怒っている。
黒い大きな瞳に、明確な敵意を宿らせて、こちらを睨んでいる。
「はア！？もとはと言えば、全部テメェが悪いんだろうが！！」
思わず言い返してしまったが、それに対してもAは冷たい表情。
「そーですね、私が全部悪いんですね。……だからもう、私には話しかけんな」
今まで一度だって示されたことのない、はっきりとした拒絶。
立ち尽くす万次郎に冷たい視線を投げかけた後、すたすたとどこかへ行ってしまう。
「マイキー、さっきからずっとそこに立って何して…ってうおっ！？オマエ、何で泣いてんの！？」
遅れてやってきた事情の知らないドラケンが、マイキーの頬に流れる涙を見て、仰天する。
「泣いてねぇよ、何勘違いしてんだよケンチン！」
「いや、その顔で泣いてねぇっつうのは無理がありすぎるだろ。鏡見て来いよ、マイキー」
「うるせえ！！だから泣いてねぇって言ってんだろ！？」
ドスドスと足音荒く自分の席に着いた万次郎はそのまま突っ伏して、昼ごはんの時間になるまで顔を上げなかった。
「言ってやった言ってやった」
いい加減ムカついたので、バスっと言ってやった。スカッと爽快感。いまいち自分でも何に対して怒ってるのかよく分からなかったけど、とりあえず怒りを吐き出せたので良かったんじゃないかと思う。
そうだ。キャットフードがもうすぐ切れそうだから、帰りに買って帰ろうっと。
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グラニー京子 - 面白かった！ (2022年4月4日 14時) (
レス) @page38 id: 90faee3a30 (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ふゆきさん» 朱里ちゃんそこまで気に入っていただけるなんて…！番外編、楽しそうなんですけどね… (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - わかめさん» 返信遅くなってすいません！…ええっ、ほんとですかめっちゃ嬉しいです是非是非見てみたいです！！ (2021年12月30日 23時) (レス) id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
雨降り星(プロフ) - ももさん» ぐへへ、ほんとですか？←きも 愉快になっていただけたら嬉しいです！ (2021年12月30日 23時) (レス) @page37 id: c629cc7e2d (このIDを非表示/違反報告)
ふゆき - 主人公ちゃんと朱里ちゃんの絡みが凄い好きです！番外編とかでみんなの日常編みたいなの作って欲しい… (2021年12月30日 9時) (レス) @page38 id: 0daf234829 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨降り星
| 作成日時：2021年9月13日 23時
