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料理を食べ終わった後は友人と話に花が咲く。
わいわい話していると、
ふと私の左手がグラスに当たる。
あっ、と思った時にはもう遅くて
パリンと音が鳴る。
いけない、グラスを割ってしまった…
「すみません…！」
友人や周りのお客さんに謝りつつ
急いで床に散らばった
グラスの破片を拾おうとすると
ぱしっと右手が掴まれる。
顔をあげるとそこには、正門さん。
ふわっと香る彼の匂いは
男の人を感じさせる、そんな匂いだった。
「あ、あの…」
正「触らんといてくださいね。」
「いやでも、私が…」
正「あかんよ。きれいな手が傷付いてまう」
正門さんは真剣な顔で、
でもどこか優しい目をしていた。
私の手を離し、破片を拾う彼。
「すみません…ありがとうございます」
正「すっ飛んで来てまいました」
「え？」
正「ずーっと見てたのバレバレやなぁ。恥ずかし」
この人はさらりとキザなことを言う人だ。
あんまり言われ慣れていない私には
少々刺激が強すぎる。
正「なんて、スタッフやから当たり前ですけど」
ははっと大きく笑う正門さんに、
どくんと胸が動いた気がした。
その場で呆然としていると
別の男性スタッフが箒を持ってきて、
綺麗に掃除してくれた。
正「お怪我はなかったですか？」
「…は、はい」
正「ふふ、ならよかった」
正門さんはトントンとネームプレートを叩き
正「連絡、待ってますね」
そう言ってまた厨房へ消えて行った。
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家に着いてからも、
どうにも彼の事が頭から離れない。
正門さん。
下の名前はなんて言うんだろう。
普段なら絶対に乗らない誘いに
少し戸惑う自分がいる。
電話、かけてみる…？
…いやいや、さすがに。
でも、もう会えないかも。
…いや、さすがに夜も遅いし出ないかも。
…でも、一度だけなら。
真っ暗な部屋の中、コール音だけが響く。
3コール目の途中で聞こえたのは、
低くて、静かな、あの店で聞いた声だ。
正『…もしもし』
正『かけてくれるんやないかって、思ってた』
名字と電話番号
まだそれしか、貴方を知らない。
fin
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クサズのエクボにハマりたい(プロフ) - 5秒のまっさん想像してもうギュンギュン (2022年4月16日 16時) (
レス) @page17 id: b885ecfa48 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 5秒ファンサの正門くんですね？！最高です(；；)♡ (2022年4月16日 1時) (レス) @page17 id: 19a0d7c3e3 (このIDを非表示/違反報告)
千紗(プロフ) - くまさん» くまさん、コメントありがとうございます！いつもああじゃないこうじゃないと言葉遣いには悩まされているので、そう言ってくださると本当に嬉しいです🥲♡これからも頑張りますので、よろしくお願いいたします ◡̈ (2022年3月30日 2時) (レス) @page14 id: f0313b62fd (このIDを非表示/違反報告)
くま - 毎回お話楽しみに拝見させて頂いてます！今まで見たAぇさんの小説の中で1番リアルに見えるというか、言葉遣いがまんますぎて毎回天才だなぁと思いながら見ています(笑）これからのお話も楽しみにしております🥰 (2022年3月29日 16時) (レス) id: 0f63c42052 (このIDを非表示/違反報告)
千紗(プロフ) - すずさん» すずさんありがとうございます…！いつもくださる言葉が嬉しすぎて、感謝感激です🥲『6月の花嫁』に関しては、幸せな小島くんのお話を書きたいと思って書いてみました。あとは皆さまのご想像にお任せいたします◎ (2022年3月29日 2時) (レス) id: f0313b62fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千紗 | 作成日時：2022年3月23日 21時
