１５８．side A ページ9
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ドアノブが回って、ゆっくり扉が開く。
カランと鳴ったドアベル。
「おっ。
勢揃いだな」
ニヤッと満足そうに笑った松兄は、一人で入って来たみたいに見えた。
でもそれは一瞬のこと。
松兄が自分の後ろに向かって、「領、着いたよ」と話し掛けた。
松兄の大きな左手の指を掴んでる小さな手だけが見えてる。
すっごく小さな可愛い手。
領は松兄の後ろに隠れていたんだ。
「領、出ておいで」
リーダーが優しく促した。
すると、松兄の後ろからそーっと小さな顔が出て来た。
可愛い！
リーダーにそっくりな黒目がちな丸い瞳がキョロキョロと辺りを見回してる。
俺と目が合ったら、慌てて松兄の後ろに隠れちゃった。
「おいおい。
おまえらがおっかねー顔でガン見してるから、領が出て来れねぇじゃねぇか。
出て行きやすいように、ちょっとの間、横向いててくれねぇか？」
松兄に笑いながら言われて、俺と潤は素直に横を向いた。
あんまり可愛いから、ついつい見過ぎちゃった。
見るときはさりげなく！
リーダーはそんな俺らにクスッと笑って「ごめんね」と言うと、杖を握っていない左手を領の方へ差し出した。
「おいで」
お父さんに呼ばれておずおずと出て来た領が、握っていた松兄の手を放して、トコトコとやってきた。
そしてリーダーのほっそりした手を、しっかり握ったんだ。
小さな小さな、四才の領。
背中に青いリュックを背負って。
何なんだろう。
いじらしくて、見てるだけで涙が零れそうになるのをぐっと堪えた。
そのときのことが、今でも昨日のことみたいに思えるよ。
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kotorix(プロフ) - 羽琉さん» 羽琉さん、コメント有り難うございます！長らくお待たせして本当に申し訳ございませんでした。更新分の下書きを終えました。もう少しだけお待ち下さいね！ (2015年11月22日 16時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
羽琉(プロフ) - 「君と歩く坂道6 」楽しみにしています。 (2015年11月22日 15時) (レス) id: af49d66303 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - あやちさん» あやちさん、コメント有り難うございます！書きたかったスカイツリーネタをここに放り込み、ついでに山々しくさせていただきました(笑)次パートは物語がやっと動きます。ノープランで書き出したこの長い物語も、いよいよ終盤です。これからも宜しくお願いいたします！ (2014年11月24日 11時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 美唯さん» 美唯さん、いつもコメント有り難うございます！やっと移行しましたので、突っ込みどころ満載な続きを是非ご覧下さいませ♪昨晩はほぼほぼ徹夜でしたが、自分なりにひと山越えて何だかスッキリです。応援いただき本当に感謝です！ (2014年11月24日 10時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - えりんこさん» えりんこさん、いつも有り難う！たった今、やーっと移行したよー！（←激亀）こんな展開でいいのか分からないけど、次パートでは私の限界を絞り出しました。これがノープラン＆見切り発車の怖さってヤツだと実感してるとこ。疲れた… (2014年11月24日 10時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2014年9月7日 11時
