１４７．side A (8/27) ページ48
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ソファに腰を落ち着けたものの、潤も俺も何をどう話せばいいのかわからなくて黙ってた。
一方のリーダーは、翔ちゃんとやたらとほわほわした会話をしてる。
さくら荘に来るのは大学生の時以来だということで、何もかも懐かしそう。
あんなに悲惨な目に遭った人なのだし、いきなり重い話が来るものと覚悟していたのに、拍子抜けしちゃった。
話している最中、リーダーが何度も前髪を指で払うものだから、翔ちゃんがクスッと笑った。
「邪魔そうだね」
ドキッとした。
こんなに優しい顔をした翔ちゃんを初めて見たんだもん。
幼馴染みだっていうけど、翔ちゃんにとってリーダーが特別な人だっていうのが、直感的にわかった。
(まさか「初恋」の人だとは思ってなかったけど)
リーダーは伸びた襟足を邪魔そうに引っ張って、ふにゃっと苦笑いした。
「うん。
すっかり伸びちゃって」
そしたら、潤が言ったんだよ。
「あの…よかったら俺、切りましょうか？」
えっ？
「ハサミとか道具は揃ってますし、よかったら今、ここで」
マジかい！
出会って数分。
挨拶もそこそこにいきなり散髪を申し出た潤。
あんなに難色を示していたのに、どういう風の吹き回し？
「でも…」
さすがに戸惑うリーダーに、翔ちゃんはニコニコしながら言ったんだ。
「せっかくだし切って貰いなよ。
彼はこの若さで青山に店を開いた新進気鋭の美容師だよ」
「へぇ、そうなんだ。
すごいね」
ニコッと微笑まれて、潤が真っ赤になった。
あれ？
こんなキャラだったっけ？
リーダーに散髪を申し出た潤。
自分の部屋に戻ると、商売道具が入ったシザーズバッグを腰に着けて戻って来た。
いつもはオシャレな兄ちゃんという認識しかなかったけど、いかにもデキル美容師って感じで、めっちゃカッコイイ。
青山の店が繁盛してるのも納得。
潤は、ボケッと突っ立ってる俺を見ると、二階の廊下の突き当たりに掛かってる大きな鏡を持って来るように言った。
昭和の香りがぷんぷんする木彫りの枠がついたレトロな鏡は、うっすらホコリを被ってて、明るいところで見ると少し曇ってるみたいに見えた。
入院期間中に伸びた髪を切ることは、元気になる前の儀式のような気がして、とりあえず二階の洗面所にあった古タオルで拭ってみたら結構綺麗になった。
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kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、その通りです！今、誤字脱字その他の最終チェックをしておりますので、もうちょっとだけお待ち下さいね〜♪ (2014年9月7日 13時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 次パートはパスが取れるのを待っていればいいのかな？ (2014年9月7日 13時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、はやい！ついに追いつかれてしまいました〜！本当に有り難うございます。通しで読んでいただくと、思いつきで書いてるのがバレバレですね(^_^;)このあと次パートに更新する予定ですので、引き続き宜しくお願いいたします♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 美夏(´･∀･`)さん» 美夏(´･∀･`)さん、はじめまして♪コメント有り難うございます。おお、リアル桜荘ですか(^_^)昭和な感じがしますね〜♪「桜の木〜」のシリーズは随分長い物語になりましたが、今回は一応完結編のつもりで書いています。最後までお付き合い下さると嬉しいです♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 翔ちゃんのお口いっぱい頬張る描写とか、おかしくって楽しくて、149まで読み終わりました。また次を楽しみにしています。 (2014年9月6日 9時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2014年7月19日 16時
