１３１．領のマイブーム ページ32
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「かずくん、おはしをならべたよ」
「おう、ありがとう」
「ゆーあーうぇるかむ！」
領はご機嫌な顔でそう言うと、「つぎはなにをすればいい？」と俺を見上げる。
いい色に日焼けした領。
上目遣いの白目の白さが際立ってる。
みんなで千葉の富津岬に海水浴に行ってから二週間。
目下、領のマイブームは、「お手伝い」をすること。
いや、正確には、「お手伝いをして、有り難うと言われた後に『ゆーあーうぇるかむ』と言うこと」だ。
ごくごくローカルなこのブームに火を付けたのは翔さんだ。
潤くんが領にプレゼントした浮き輪を膨らませた翔さんは、「中に入ってるのは俺の吹き込んだ空気」と言って恩を着せ(笑)、ありがとうと言った領に、「ゆーあーうぇるかむ！」と返した。
領にとっては、翔さんの照れ隠しの棒読み英語が最高にクールだったらしく、あの日以来、何かに付けては「ゆーあーうぇるかむ」を使いたがるのだ。
おかげでお手伝いをいっぱいしてくれるので、俺はとっても助かってる。
「それじゃ、お父さんと翔さんを呼んで来てくれる？
『そろそろご飯ですよー』って」
「りょおかい！」
すぐに階段を上って行く領。
足取りが軽やか。
張り切ってるなー。
父親の大野さんはなかなか休みを取れないし、翔さんは土曜日も診療がある。
だから、休日でも遠出の経験がほとんどない領。
あの日の、長時間ドライブしたり、海でたっぷり遊んだり、みんなで外食したりってのは、すごく新鮮な体験だったんだろうと思う。
今回は、海水浴した後、翔さんが予約していた富津市内の旅館で温泉に入って、和室でゆっくり魚介系たっぷりの食事して。
温泉は植物系泉黒湯というのだそうで、お湯がコーヒーみたいに真っ黒でびっくりした。
翌日、領は、早速この日のことを絵日記に書いた。
「とってもしあわせな一日でした」と締めくくっているのを見て、俺の方が幸せになっちゃったよ。
あれからまたいつもの日常が始まったけど、領は、あの日に相葉さんが撮った写真を納めたアルバムを度々出して来ては、ニコニコしながら眺めてる。
子どもっていうのは、楽しい経験が必要なんだなぁとつくづく思った。
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kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、その通りです！今、誤字脱字その他の最終チェックをしておりますので、もうちょっとだけお待ち下さいね〜♪ (2014年9月7日 13時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 次パートはパスが取れるのを待っていればいいのかな？ (2014年9月7日 13時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、はやい！ついに追いつかれてしまいました〜！本当に有り難うございます。通しで読んでいただくと、思いつきで書いてるのがバレバレですね(^_^;)このあと次パートに更新する予定ですので、引き続き宜しくお願いいたします♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 美夏(´･∀･`)さん» 美夏(´･∀･`)さん、はじめまして♪コメント有り難うございます。おお、リアル桜荘ですか(^_^)昭和な感じがしますね〜♪「桜の木〜」のシリーズは随分長い物語になりましたが、今回は一応完結編のつもりで書いています。最後までお付き合い下さると嬉しいです♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 翔ちゃんのお口いっぱい頬張る描写とか、おかしくって楽しくて、149まで読み終わりました。また次を楽しみにしています。 (2014年9月6日 9時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2014年7月19日 16時
