１１４．あつい！ ページ15
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手分けして荷物を持って、いざ浜辺へ。
「わぁ！
あつい！」
領が悲鳴を上げて飛び跳ねた。
ビーチサンダルが脱げて、夏の日差しで灼かれた熱い砂を直接踏んでしまったらしい。
「お父さん、あついよ」
大野さんはふふっと笑うと、自分にしがみついてきた領の足の裏の砂を手で払い、砂の上で裏返しになっている脱げたビーチサンダルを表に返して履かせてやった。
「随分気温が上がって来たね。
海に入ったら気持ち良いだろうなぁ」
「お父さんもおよぐ？」
領にそう問われた大野さんは、優しい顔で微笑んだ。
「泳がないけど、入ってみようかな。
ここは遠浅らしいから」
四年前の事件で重傷を負い、足に後遺症が残る大野さん。
子どもの頃にスイミングスクールに通ってたというから、きっと怪我をする前は泳げたんだろうと思う。
領が小学校に入学する前には神経の移植手術を受けて、今では階段や段差の上り下りも随分スムーズになったのだけれど、泳ぐことは無理らしい。
「智くん。
砂に足を取られるから気を付けて」
翔さんの気遣わしげな声に、大野さんが「うん」と答える。
こうして砂浜を歩くのは、結構な負担なのかも。
いつもよりゆっくり、踏みしめるように慎重に歩いてるようだ。
一方、先頭を歩いていた松岡さんと潤くんは、場所の確保に余念がない。
連休ということもあって、近くの公園内のキャンプ場に泊まった人も多かったようだ。
水温が上がり切らないこんな時間でも、浜が既に大勢の人で賑わっているのを見て、俄然闘争心(？)が湧いたらしい。
大股でずんずん歩いて行って、気が付けばもう百メートル以上離されていた。
「まつにぃとじゅんくんがよんでる！」
二人は早速日除けテントを張る場所を決めたらしく、はるか向こうから俺らに向かって大きく手を振ってる。
いち早く気付いた領が、人混みに向かって駆け出した。
大野さんが「迷子になるなよ！」と声を掛けたが、聴こえたかどうか。
「張り切ってるねー！
翔ちゃん、俺がそれ一個持つから、リーダーのことお願い」
相葉さんはそう言うと、翔さんが両手に持っていた折畳み椅子を一つ引き取った。
そして、「俺、領と先に行ってるね」と言って、肩には氷の入ったクーラーボックス、左手に折畳み椅子を持って、人混みに紛れそうな小さな背中を追い掛けて行った。
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kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、その通りです！今、誤字脱字その他の最終チェックをしておりますので、もうちょっとだけお待ち下さいね〜♪ (2014年9月7日 13時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 次パートはパスが取れるのを待っていればいいのかな？ (2014年9月7日 13時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、はやい！ついに追いつかれてしまいました〜！本当に有り難うございます。通しで読んでいただくと、思いつきで書いてるのがバレバレですね(^_^;)このあと次パートに更新する予定ですので、引き続き宜しくお願いいたします♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 美夏(´･∀･`)さん» 美夏(´･∀･`)さん、はじめまして♪コメント有り難うございます。おお、リアル桜荘ですか(^_^)昭和な感じがしますね〜♪「桜の木〜」のシリーズは随分長い物語になりましたが、今回は一応完結編のつもりで書いています。最後までお付き合い下さると嬉しいです♪ (2014年9月7日 12時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - 翔ちゃんのお口いっぱい頬張る描写とか、おかしくって楽しくて、149まで読み終わりました。また次を楽しみにしています。 (2014年9月6日 9時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2014年7月19日 16時
