４２．自信満々 ページ42
・
「よーし！
全員揃ったから、始めるぞー！」
「「「「「おーっ！」」」」」
潤くんの気合いの入った宣言で、いよいよお好み焼きパーティーが始まる。
パーティーと言っても特段豪華なものが出るわけではないが、テーブルの真ん中に置いた大きなホットプレートが、みんなの、特に相葉さんと領のテンションを爆上げする。
大きなヘラを両手に持ち、いかにもやる気満々の相葉さんに、ワクワクしているのはおそらく領だけ。
翔さんや潤くん、そして実は俺も不安を隠せない。
「相葉くん、ひっくり返すのはやっぱり潤に任せようよ」
ハラハラした顔の翔さんが何度もそう言うが、何の根拠があるのか、相葉さんは、「大丈夫だって。今日はうまくいく気がする」と言って、断固として譲らない。
「自信ありげに言うけどさ、お好み焼きを返す成功率、あなたダントツに低いから」
潤くんも心配そうだ。
しかし食卓にスリルを提供するのもまた相葉クオリティ…。
そんな外野の声を気にすることなく、真剣な顔でヘラを握り直す。
「おっ、そろそろイイ頃合いだ。
それじゃあ、ひっくり返すよ！」
翔さんが隣りに座る領をサッと抱き上げて、切迫した声を飛ばす。
「気を付けて！
みんな、念のため退避！」
いったい何の騒ぎだよって感じだが、熱々のお好み焼きは、場合によっては凶器、あるいは危険物に等しい。
誰も異論を唱えることなく、相葉さん以外全員席を立って、テーブルから数メートル下がる。
「せーの！！」
相葉さんのヘラがお好み焼きの下に差し込まれる。
次の瞬間、宙を舞ったお好み焼きが、かろうじてホットプレート上に着地した。
「「「「おおっ！！」」」」
「まーくん、かっこいい！」
ギリギリとはいえ無事に一発で裏返すことに成功した相葉さん。
さぞかし得意気かと思いきや、「うっそ！まさかの大成功！」と自分で驚いてる。
「ナニ驚いてるんだよ！！」
「まさかって、おまえ自信なかったのかよ！！」
速攻入ったツッコミに悪びれることもなく、領とハイタッチして喜んでる相葉さんには敵わない。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 811人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kotorix(プロフ) - まめまめさん» まめまめさん、はじめまして♪とても嬉しいコメントを有り難うございます。ベタな話しか書けないのですが、切なさの中にもほっこりした気持ちになって頂けるような物語を書きたいと思っています。亀更新ですが完結まで絶対頑張りますので、今後とも宜しくお願いします！ (2015年6月13日 15時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめ - はじめまして。いつも楽しく拝見させてもらっています。 kotorixさんの作品を読むと、心が温かくなります。これからも素敵な作品を作り続けてくださいね。 (2015年6月13日 14時) (レス) id: c466c4c127 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - しるひさん» しるひさん、ごめんなさい！思ったより時間がかかってしまいました。もう少しだけお待ちください。m(_ _)m (2014年6月22日 3時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - しるひさん» しるひさん♪はじめまして！コメント有り難うございます。下書きがようやく貯まりましたので、今晩中にパート更新致します。もう少しお待ち下さいね♪この続編で領が成長していく様子を見守って下さると嬉しいです♪今後とも宜しくお願いいたします！ (2014年6月21日 19時) (レス) id: e9eb502708 (このIDを非表示/違反報告)
しるひ - はじめまして。いつも続きが気になり待ちどうしく思っています。領君が健気で可愛くって私のツボです。これからも楽しみにしています。 (2014年6月21日 18時) (レス) id: 2e9e38b6df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kotorix
| 作成日時：2014年5月25日 1時
