２８５．四つの箱 ページ47
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「そんな怖い顔すんなよ。
ここの鍵を預かって、暗証番号も聞いてたんだよ。
おまえらがまだ眠ってるかもしれないから、
出来るだけ静かに運んでくれって言われてたんだが、
うっかりいつもの調子でトラックのドアを思いっきり閉めちまって」
「俺は繊細に出来てねぇから」と笑った鴻野さん。
現時点、ここを開けられるのは翔さんだけ。
東さんだって開けられないはずだが。
翔さんと俺は真顔で訊き返した。
「預かったって誰に！？」
「誰に頼まれたんです！？」
俺らの噛み付きそうな勢いにも、鴻野さんは全く動じない。
「それは自分で確かめるといい。
まずは相葉と潤を起こしてこいよ」
心臓がバクバクしてきた。
だって、ここの鍵を開ける権利があるのは、ここに住むことを許された翔さんの他は、あの人しかいないはずだから。
俺は翔さんに「起こして来る！」と言い残して、山荘に急いで戻った。
サンダルを蹴散らしながら中に入って、いまだ爆睡中の二人を叩き起こす。
「いったい何ごとだよ」
「頼むからもうちょっと寝かせてくれー」
「いいから早くして！」
酒臭い上に寝ぼけてる二人を引き摺るように工房に連れて行く。
この間に最後の箱が運び込まれ、四つの「お土産」がずらりと並んでいた。
「なんだなんだ？
おまえら、揃いも揃って酒臭ぇな」
無理矢理叩き起こされてブツブツ言っていた相葉さんと潤くんだったが、振り返った鴻野さんを見て一気に目が覚めたようだ。
「鴻野さん…！？
久しぶりじゃないですか…！
今までどうしてたんですか？？」
グリーンストームの常連客でありながら、三年前からパッタリと訪れなくなった鴻野さんに、相葉さんが駆け寄る。
「まあ、いろいろあってな」
小さく苦笑いした鴻野さんが、四つの大きな段ボール箱を指差して、「あれを開けてみろ」と言った。
「あれは？」
「東さんのお土産らしい」
「マジ？？？
でっけーなぁ！」
それぞれの箱に名前が印字されている。
緊張しながら自分の名前が入った箱をカッターで慎重に切り開く。
丁寧に巻かれたエアパッキンを通して見えたものにドキンと胸が鳴った。
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kotorix(プロフ) - しのぶ(改)さん» しのぶさん、拙い作品ですが、最後までお読みいただいて本当にありがとうございました。随分前に書いた物語ですが、密室トリックを考えているときは家族にだいぶ気味悪がられました(^_^;) (2019年1月6日 16時) (
レス) id: 5cfd22b9da (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - りんごさん» りんごさん、一年もお返事せずに大変失礼いたしました。最後までお読みいただいて本当に嬉しいです。こちらの方こそありがとうございました(*^_^*) (2019年1月6日 16時) (レス) id: 5cfd22b9da (このIDを非表示/違反報告)
しのぶ(改)(プロフ) - 泣きました。素敵な物語をありがとうございます。 (2019年1月5日 22時) (レス) id: 3f40e942ad (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 天才だと思いました。本当に、本当に面白かったです。ネット小説で、こんなにハラハラドキドキしたことはありませんでした。すごく楽しかったです。素敵な小説、ありがとう (2018年2月14日 21時) (レス) id: 31eb5fcb90 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - たけちゃんさん» たけちゃんさん、コメントとっても嬉しいです♪最後までお付き合いくださり有り難うございます！風呂敷を広げ過ぎて迷走した作品ですが、ラストシーンが頭に浮かんでからはそこに辿り着くよう目指しました。再び始まった五人の物語を思い描いてい頂けたら嬉しいです♪ (2014年9月11日 13時) (レス) id: e9eb502708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2013年6月2日 22時
