１．朝 (9/25) ページ2
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「カズ、レジャーシート入れた？」
小振りに握ったおにぎりを几帳面に重箱に詰めながら、潤くんが俺に尋ねた。
「うん。
お茶はこれで足りるかな」
掲げてみせた大きな水筒二本。
中には温かい京番茶がたっぷり入っている。
「いいんじゃね？
足りなくなりそうだったら補充しに来るさ。
学校が近いってのは便利だな」
「そうだね。
あ、いけね！
もうこんな時間だ。
領に朝御飯食べさせないと」
俺は急いで階段を駆け上がると、二号室、つまり領の部屋をノックした。
「領、御飯の時間だよ」
返事がない。
「開けるよ？」
声を掛けてドアを押し開けると、今日も壁紙の中のペンギンたちが行儀よく整列していた。
櫻井家の歴史が詰まったガラクタ置き場(失礼)だったこの部屋を、みんなで片付けてから一年以上経った。
大野さんが天井にペンキで描いた「空」は、今日も気持ちよく晴れている。
リアルの天気も上々。
窓から差し込む朝の光が、机の上で開きっぱなしになっている宿題の書き取り帳を明るく照らす。
書き取りの文字が、先週よりも上手になっているのに気付いて嬉しくなった。
はい、俺は親バカです(笑)
さてさて。
ここに居ないとなると…
俺は廊下に出て、隣りの大野さんの部屋をノックした。
「領、居るの？」
俺の問い掛けに、中から可愛い応答。
やっぱりここに居た。
「失礼します」
少々遠慮がちにドアを開けると、大野さんのベッドの上で、体操着姿の領が画集を眺めていた。
その昔、翔さんのお母さんが北海道に転校していく大野さんに餞別に贈ったものだというそれは、とても大きくてがっしりした立派な本。
大野さんの芸術を愛するDNAを受け継いだのか、息子の領もまたこうした画集が好きなようで、大野さんが机に向かって仕事をしている後ろで、一人静かに眺めているのはいつものことだ。
今もまた、領の向こうで、大野さんが持ち帰った書類を机いっぱいに広げ、一生懸命仕事に励んでいる。
祭日の朝だというのに。
そう。
この人の忙しさは、領がここに暮らすようになってからも変わらない。
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kotorix(プロフ) - satoshiikoさん» satoshiikoさん、予想通りでした！？可哀想でしょ〜？（笑）翔くんもギャップが魅力な人ですよね。それぞれいい大人になったけれど、しっかり者の彼が思いっきり破顔していると、なんだか安心します♪ (2014年9月4日 20時) (
レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
satoshiiko(プロフ) - こんにちは！ フォークダンスの結末、予想通りでしたよ。可笑しい〜！ 翔ちゃん、可哀想^o^ (2014年9月4日 12時) (レス) id: 48c930074b (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 葵羽さん» 葵羽さん、こんにちは！Ｓさんは、大変出来る男ゆえ、あの残念な部分が愛らしいのだと信じております（笑）そしてここのＯさんはあまりにもボンヤリさんで、それゆえみんなに構われまくるという…もう脳内がこんな妄想、あんな妄想で凝り固まっております(^_^;) (2012年10月13日 18時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
葵羽(プロフ) - kotorixさん
愛らしいSさんの魅力がたっぷりですね!
Oさんも相変わらず、自分の魅力に全然気付いてなくて、みんなを引き付けてる事を分かってないんですねぇ…
更新楽しみにしていますが、無理されずに… (2012年10月13日 11時) (携帯から) (レス) id: b9a285cbb8 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - マーブルさん» マーブルさん、こんばんは！遠ざかる撫で肩に悲哀を感じて頂けましたでしょうか（笑）意地悪な作者のせいで、折角自主トレしたのに報われなかったドクターです(^_^;)容量が満タンとなりましたので、次回はパート移行となります。引き続きよろしくお願い致します(^_^)/ (2012年10月12日 22時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2012年9月24日 0時
