１０６．好機を逸す… ページ11
ごくりと唾を飲み込んで、運転席の大野さんの方を向く。
「あの…これまでの話を総合すると…
大野さんとグリーンストームのオーナーさんは警察ＯＢ。
松岡さんは現役の警察庁のキャリア警察官ってことで間違いないですか…？」
「……？
うん。
間違いないけど？」
「えっと…あの…
しょ…しょーこを……」
「…え？
ごめん、今、なんて？
よく聞こえなかった」
ハンドルを握りながら小首を傾げた大野さん。
年上なのにこの可愛さは何だよ、まったく…。
こんな人を信じ切れない自分が恨めしい。
でも、気を取り直してもう一度…
「しょ、しょー……しょーこ……」
さっきより酷い…！
俺は壊れたテープレコーダーか…！？
大野さんの横顔に「？」が、ますます加算されていく。
後ろめたさで必要以上にテンパッた俺は……
「しょ…『ショー子』って女友達が居るんですけど、婦人警官志望で！！
どっ、どーすれば警察に入れるのかなって！
アドバイスしてやりたいんです！！」
………ヘタクソすぎ (-_-;)
誰だよ、「ショー子」って……(汗汗汗)
大野さんがポカンとした顔で聞き返した。
「へえ…。
『ショー子』さんって、カズの彼女なの？」
「ちっちちちち違いますよっ！！
「ふふっ。
そんなに全力で否定しなくても(笑)」
大野さんは可笑しそうに笑った後、自分の居た科警研の採用は一般の警察とは別枠だから、参考になる話は出来ないと言った。
「近いうちに松兄がまた来るから、その時に聞いたら？
あの人はキャリア組だから参考になるかわからないけど…」
「まっ、松岡さんにっ！？
遠慮しときます…！！」
そうこうしているうちに、車は大野さんの山荘に到着。
結局肝心なことは聞けなかった。
大野さんの車に遅れること十数秒、櫻井さんの運転する黒いＳＵＶが到着した。
下りて来た櫻井さんと潤くんが、大野さんに駆け寄る。
「智くん、よく頑張ったね！
後ろから見てても全然危なげなかったよ」
「大野さん、お疲れ。
風呂上がりに肩揉んだげるね♪」
ごく自然に、しかし瞬時に両脇を固める二人…。
こうなってはもう聞くチャンスはない。
二人に挟まれながら玄関に向かう大野さんの小さな猫背を見ながら溜め息を一つついた俺は、彼らの後を追った。
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kotorix(プロフ) - つっきーさん» つっきーさん♪コメント有難うございます。シリアス寄りの物語ですが、楽しんで頂けたのならとても嬉しいです♪推理の内容はかなりいい加減でお恥ずかしいです(^^;;今後とも宜しくお願い致します！ (2013年10月25日 22時) (
レス) id: e9eb502708 (このIDを非表示/違反報告)
つっきー - 最後のニノと翔君が面白い！ 読んでるとすごく勉強になります 小説って感じがして読み応えがあります（いままでリアルあらしさん設定の話ばかり見てたので・・・）とても面白いです♪ (2013年10月25日 19時) (レス) id: f90ae1b507 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - さっちさん» さっちさん、コメント有り難うございます♪最初シリアスな感じで書いていたのですが、いつしかこんな風に…（笑）吹き出して頂けて嬉しいです♪放置されたＳさんは、只今、清里から急行しているところです（笑）次回登場致しますので、引き続きよろしくお願い致します♪ (2012年10月7日 10時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
さっち(プロフ) - 走り回るニノと電話を放置された翔さん。おかしくて吹き出しました。 (2012年10月6日 22時) (レス) id: 650ca07416 (このIDを非表示/違反報告)
kotorix(プロフ) - 葵羽さん» 葵羽さん、こんばんは♪久々に雨を降らせ、不機嫌な職人さんをシリアスに書いておりましたら、沈鬱なムードに耐え切れずにふざけてしまいました（爆）今頃建築士はパニックに陥っていますが、職人の機嫌は急速に回復する見込みです（笑）どうもすみません！(^_^;) (2012年10月2日 22時) (レス) id: 66db8230c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kotorix
| 作成日時：2012年9月11日 18時
