３４２．楽しい一日に ページ9
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領と食卓の準備をしていると、潤くんと相葉さんが次々と下りて来た。
「領！
誕生日、おめでとう！」
みんなやることは同じ。
口々に言っては領を抱き上げる。
「領、まーくんな、いまだかつてない『相葉スゴロク』作ったぞ！
後でやるか？」
「やる！」
いまだかつてないってどういうこと？
潤くんが俺にそっと耳打ちをした。
「カズ、今日は覚悟しとけよ。
相葉さんの気合いを見ろ。
何だか嫌な予感がする」
「コスプレも凄そうだね。
昨日ちらっと見えちゃったんだけど、派手な青い制服みたいのがあったよ。
黒いサングラスと網タイツも」
「網タイツ？
マジかよ！」
「わさび寿司が当ったら嫌だなぁ」
「今回はわさび寿司はやめてハバネロ寿司にするんだと。
あと、納豆パフェとかあるらしいぜ。
夜中に喉が渇いて下りて来たら、相葉さんが暗いキッチンでヒャッヒャヒャッヒャ笑いながら何か作っててさ。
恐ろしいのなんのって」
「何それ！？
嘘でしょ…！？」
二人で青くなってると、相葉さんに肩を叩かれた。
「ちょっとぉ。
二人して何こそこそ話してんの。
やーらしいんだから」
「別にやーらしくない！
それよりあんまりヘンなもの食わせないでよ！？」
「へっ？
何だ、そんなこと心配してんの？
大丈夫だって。
俺は初代『賄い人』だぜ？
ちゃんと味見したから」
「余計に不安だよ」
そうこうしていると、翔さんと大野さんが二階から下りて来た。
大野さんは顔色はあんまり良くないが、着替えもして穏やかないつもの表情だ。
相葉さんと潤くんが、領に気付かれないように「大丈夫？」と声を掛けると、「もう平気」とふわふわ笑ってる。
外は快晴、花見日和。
今日はあれこれ考えるのはやめよう。
領の生まれて来たことをみんなで祝って、思いっきり楽しい一日にしようと思う。
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作者名：kotorix
| 作成日時：2012年5月8日 15時
