桜の木のある家で８ (ページ26)

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３５９．日曜日はみんなでページ26

二階から翔さんが下りて来た。

「翔ちゃん、お疲れ様。
　リーダー寝た？」

「うん。
　ベッドに倒れ込んだ瞬間にね。
　いろんな意味で疲れる一週間だったろうから」

「そっか…
　そうだよね」

潤くんが翔さんに尋ねた。

「明日…いや、もう『今日』か。
　今日は領が来るよね。
　何か予定あるの？」

「どうかなあ、何も聞いてない。
　ところで日曜日はみんなどうしてる？」

「特に何もないよ」

「俺も」

潤くんは仕事かと思いきや…

「午前中はみんなの髪を切ろうと思って、空けてる。
　何かあるなら、午後も休めるよ」

潤くんは先週の日曜も丸一日休んでた。
青山の店は繁盛してるらしいし、業界ではカリスマヘアスタイリストとしての潤くんの需要は益々上がってる。
毎日忙しいようだけれど、領を含めたさくら荘の面子が揃う日曜日は、極力スケジュールを入れないようにしてるみたいだ。

「日曜日、何かあるの？」

「都合のつく範囲でいいけど、二号室の片付けとリフォームを手伝ってほしいんだ」

「二号室って、物置と化してる大野さんの隣りの部屋？
　もしかして新しい人、増えるの？」

「いや。
　領のために空けようかと思ってさ。
　ここに住むとなったら、大野さんの部屋だけじゃ狭いからね。
　来年からは小学校だし、ちゃんとした子ども部屋を用意しておきたいと思って」

「いいねえ。
　やろう、やろう！」

「楽しそうだな♪
　壁紙も張り替えようよ。
　明るい色がいいなぁ」

「松兄も参加させてよ。
　何でか知らないけど、あの人すごい器用だから。
　大工仕事なんかプロ並みだよ」

翔さんの提案に、俺らは時間も忘れて盛り上がる。

「向こうのお祖父ちゃんお祖母ちゃんの意向もあるから、領をここに引き取るにはしばらく時間がかかるだろう。
　その間にこっちも受け入れる準備をしていこうと思ってる。
　皆さん、協力よろしく！」

「「「う～っす！」」」

春の陽気に加えて、領を受け入れるための準備という新たなミッションに浮かれる俺ら。
日曜大工は初体験だけど、みんなでやったら楽しいこと間違いなし。

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