３５８．ゲットだぜ！ ページ25
「智くん、部屋に行くよ？」
「……やだよ…
まだいかない……みんなといる…
……みんなとのむの……」
やべぇ…
全部ひらがなで聞こえた。
３１歳、子持ち。
東京地検刑事部のエースが、こんな萌えキャラでいいのか…？？？
「聞き分けのないこと言わないの(笑)
明日は領が来るんでしょ？
ちゃんと寝て、疲れを取っとかないと」
「……うん……そうだね……」
翔さんから領の名前が出たせいか、目を擦りながら華奢な身体をやっと起こした大野さん。
「一人で大丈夫」と言いながらも何だか危なっかしいので、翔さんが支えるようにして二階に連れて行った。
数時間前には一触即発だったのに、ちゃんといつもの所に納まった二人。
普段は率先して大野さんの世話を焼く潤くんも、今日は翔さんにポジションを譲って、彼らを優しい目で見送った。
潤くんがグラスに残ったバーボンをごくりと飲み干して言った。
「今晩の翔さんは、ちょっと凄かったな…
いつもはヘタレなくせに、ここ一番ではさすがだよ。
大野さんをちゃんと説得した」
うん、確かに。
みんな大野さんとは仲がいいけれど、あの場で彼に意見出来るのは多分翔さんだけ。
「そうだね。
なんか、カッコいいよね、あの二人」
「京都から帰って来たときといい、今回といい、翔ちゃん頑張ったよね。
ご褒美にリーダーの写真をあげよっと♪」
相葉さんの発言に、潤くんと俺は俄に色めき立つ。
「えっ！？
俺も欲しい！！」
「俺だって！！」
俺が潤くんにつられるように身を乗り出すと、二人は意外そうな顔で俺を見た。
「あれ？
カズってそんなキャラだった？」
「涼しい顔して傍観してるかと思えば。
意外とムッツリスケベ？」
二人とも真顔で聞かないでよ…
「…じゃあ要らない。
みんなの写真ほしかっただけなんだけどね。
俺、持ってないから」
俺がかなり脚色を加えて拗ねたように言うと、相葉さんが「ごめんごめん、そんな意味じゃ」と慌てて謝った。
他にどんな意味があるんだよ、と心の中で突っ込みつつ、ちゃっかり大野さんの耽美ショットを含むみんなの写真を貰う約束を取り付けた。
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作者名：kotorix
| 作成日時：2012年5月8日 15時
