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Side 風磨
丸一日かけて、俺の受験は終わった。
内容？
そうね、完璧。
試験問題も小論文もサクッと出来て、面接だって気合い入れて始まったんだけど拍子抜け。構え過ぎたね。
もうね、面接官が仏様にしか見えなかったもん。始終和やかな雰囲気で終わって、気付いたら大学をあとにしてたよ。
終わったぁ…。
よっぽどのことがなけりゃ、受かってると思う。内申点がどんだけで、どう作用するかはわかんねぇけど。
今日は完璧。
実家に帰って、とりあえず大丈夫そうだと親に伝えた。久々に家族で飯食って、なんかほっこりしたんだけど、ここでゆっくりしちゃいられない。
親も、直接お礼言ってこいって言うし。
っていうか言われなくても行くっつの。
夜、二宮邸へ。
居るかなぁ。
リビングが明るい。
居る！変にテンションが上がっちゃってる俺は、リビングまで走ってAさーーーんなんて叫びながらドアを開けた。
でも、居たのは二宮くんと相葉くんってさぁ。
ぇぇぇぇ…Aさん。
恥ずかしい…
それがしっかり顔に出てたのか、二宮くんがここぞとばかりに俺を弄り出すから居た堪れない。苦笑
「おかえり。がっかりし過ぎ。泣くか？
俺が抱きしめてやろうか？笑」
「おかえりー。受験だったんでしょう？
どうだった？」
「Aに一番に言いたかったんだよな？残念ながら、Aなら病院に呼ばれてった。なんか嫌な予感するって言ってたから、今日は帰らないかもねぇ。残念。」
ゲームしながらどんどん捲し立ててくる。
そうだ、今日Aさん待機だ。
「今日は緊張と友達になれて、最後までマイペースに過ごせました。完璧です。これまで、本当にありがとうございました。」
「そっか。良かったな。Aも喜ぶよ。」
そう言って初めてこっちを向いた二宮くんの顔はとても優しかった。
「よかったねぇ？風磨頑張ってたのみんな知ってるから俺も嬉しい！翔ちゃんにも連絡してあげてね？あっ、ちょっとニノ！ズルイ！俺が取ろうとしたのにぃぃ。」
「早いもん勝ち。余所見する方が悪い。」
2人のやりとりをソファーに座って見てると、なんだか気持ちよくなってきて、2人の声も遠くなってきて。
あぁ、寝ちゃうな俺。まぁいっかぁ。
Aさん待ってよ。
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作者名：林檎 | 作成日時：2018年8月4日 17時
