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Side 風磨
「和也。」
そう言って、二宮くんの団扇を渡すAさん。
「ん。」
受け取り、今日の日付とサインを書いた二宮くん。
これか。
これが儀式のように毎回行われてるんだ。
なんか単純に羨ましいと思った。
これは2人だけの儀式だから。
返された団扇を大事に抱き締めてから眺めて微笑むAさん。高潔さにただただため息。
と思ったら、荷物、一緒に持って帰って。なんて言ってでっかいエコバックに団扇やらタオルやらを突っ込んで二宮くんに突き出した。
えぇぇ、あんな大事そうにしてたのに雑。
「はいはい。あんま風磨を連れまわすなよ。売り出し中なんだから。」
「お寿司食べたら送って帰るよ！じゃぁね！」
「失礼します。勝利、松島、また明日！」
「バイバイ！」
Aさんと2人で楽屋を後にする。
楽屋を出るとき、
嵐さんみんなに口パクで色々言われる俺な。
「告れ！」
櫻井くん、いやいや、もう告ってますから。
「手を繋げ！」
そう言って自分の手で恋人繋ぎして掲げてくる潤くん。
急に手繋げってなんなん！？
「アザラシ！」
相葉くんのはただの悪口じゃね？
「コハダ！」
それは食いたいんすか？大野くん…
「風磨？」
もたもたしてて出遅れたので、慌てて追いかける。
「全然濡れなかったの？大丈夫？」
そう言って、俺の服をパフパフしてる。
「うん、なんか合羽用意されてて。雨降るの予定に入ってるんだって思った笑。でも、みんなで合羽着て燥いで楽しかったよ？」
「そっか。」
そう言ってAさんは柔らかく微笑んだ。
搬入口にAさんが呼んだタクシーが来ていて、
それに乗って、寿司屋へ向かった。
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作者名：林檎 | 作成日時：2018年8月4日 17時
