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Side 風磨
おっと、忘れてた。
勝利と松島が隣に居たんだ。
2人を見れば、それぞれ個性的な表情で固まってた。
まぁそうだよね。
まず、誰だ？って話から、なんで俺が頭拭いてるんだ？なんでタメ口なんだ。なんで二宮くんのマネが連れて来たんだ。
たくさんの「なんで？」が頭の中を蠢いてるであろう勝利と、ただただ勝手に照れている松島に思わず吹いてしまったら、2人がこっちを向いた。
しっかり説明しろと訴える鋭い視線の勝利。
好奇心しかない松島のキラキラ視線。
とりあえず、紹介をと思ったらAさんが喋り出した。
「佐藤くんに松島くんだ。本物だ！凄い！本物は想像をはるかに超えてきた。顔小さい。」
俺に頭拭かれながら勝利の顔を両手で挟んじゃったよ。
泣きそうな勝利を見て、ちょっぴり懐かしむ。
俺も、初対面で頬っぺたムニムニされたっけ。
思い出に引っ張られそうになった時、
勝利の腕が俺を現実に呼び戻した。
「ちょっと、Aさん！勝利びっくりしてるから！」
「あ、こりゃ失敬。ついつい。」
テヘペロじゃないでしょ。もう。
Aさんっていうワードに反応した勝利。
「あ、Aさんってさっき言ってた人ですか？」
「そうそう。俺の先生。」
まぁ、間違ってはいないよね。苦笑
「初めまして。菊池くんの先生です。笑。」
そう言って、タオルを取ってから2人に向かって手を差し出した。
ポォっと頰に赤みを帯びる2人。
お前らもヤラレタか？この笑顔に。
少し間を空けて、勝利が先に反応し握手した。
「さ、佐藤勝利です。初めまして。高1でもうすぐ16歳です！A型で、親子丼が大好きです！」
何？聞いてもないのに自己紹介の尺長くね？
「親子丼？私も好き〜。あそこの店知ってる？あのね〜・・・
ちょいちょいちょい！
握手したまんま、2人でふふふ〜なんて笑いながら親子丼が美味い店の話に発展してるし。
長い、長いよ！
そろそろ手を離そうか。そんな想いがこもった視線に気付いた勝利は慌てて離れ、ついでに松島を紹介した。
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作者名：林檎 | 作成日時：2018年8月4日 17時
