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Side 翔
関係者控え室にて、アザラシ発見。
割とすぐ発見。
本物のアザラシなら天敵にすぐ見つかってアウトだな。
俺が背中叩くまで気付かねーの、こいつ。
バシっっ。
「ヴっ。櫻井くん！痛いっす！」
涙目で俺を見上げる風磨。
アザラシが泣きそうだ。笑
キュー〜っ
「お前なぁ、何落ちてんだ？今から楽しい楽しいコンサートだぞ？嵐フェスだぞ！嵐ファンのためのフェスだぞ！懐かしの名曲たくさんやっちゃうぞコラっ！」
「そ、そりゃもう嵐ファンの俺には夢みたいなフェスです！最高っす！楽しみしかないっす！」
下手くそ〜な笑顔貼り付けてこっち向いたこいつ。
ムカつくからもちもちほっぺを摘んでやった。
もちろん両頬。
「何だ〜？その顔は！」
「いひゃいっ、はにゃしチェくじゃしゃい。」
そう言いながら俺の両腕を叩いてきた。
解放。
頬をさすりながら話し出すアザラシもとい風磨。
「痛ぇぇぇ、櫻井くんってこんな感じでしたっけ？おかしいなぁ〜。」
俺への文句をぶつぶつ言ってる。
「Aさんが居ないんですよぉ。」
小さっ、声小さっ！
「一緒に観たかったなって・・・観れるもだって思ってて。」
どっか遠くを見つめながら話し出すアザラシ。
なんだ？誰か死んだ？
急な悲劇のヒロインっぷりに困惑。
「今生の別れか？何そのテンション。」
「いや、終わったら寿司食いに行きます。」
食い気味に返しやがった。
何か問題でも？的な顔でこっち向いたアザラシめ。
なんだよ、心配してる俺って何？
寿司のこと思い出したのか、急にニヤケ出すアザラシ。本当に忙しい奴だな！
「じゃぁ我儘言ってんじゃねーよ。一般席で観るのがAの楽しみ方なの！覚えとけ！」
なんだかんだ馬鹿らしくなって、もう一回背中をしばいて楽屋へ引き返した。
「痛ぇぇぇっ」って声が聞こえたような、聞こえなかったような。笑
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作者名：林檎 | 作成日時：2018年8月4日 17時
