ベイビーロマンチカ 2 (ページ20)

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Side 風磨

相当なニヤケ顔であったんだろう。中島に突っ込まれるまで自分の世界に浸っていた。

「あぁー、またにニヤけてるし。
さっきとおんなじ顔。いい事あったの？」

笑いながら俺をいじってくる中島。クリクリした目が興味津々と言っている。

「べ、別に…。」

そう言って、シャワーに向かおうとしたら、

「Aさん。」

中島の口から出た名前にビックリして思わず振り返った。慌てて振り返ったから、なんかの振りみたいに決まった。

よっぽど俺の動きが可笑しかったのか、
俺を見て笑う中島。

「えっ？何だよ、挙動不審なやつ。さっき電話出るときに名前言ってたじゃん。しかもデカ目に。丸聞こえだし。めっちゃ嬉しそうだったし。」

「マジ？」

「マジ。笑」

ぇぇぇぇ…
何それ、自分で墓穴掘ってるし。

舞い上がってて、楽屋ん中で話してたしなー。頭を抱えた。

「俺しか居なかったから、気付かなかったんだろ？」

幸いなことなのか、下3人はとっくにシャワーに向かったらしい。

「年上の女性？
ふふふ、ま、頑張れふまたん！」

そういうと、タオル抱えて男前に俺の前を去っていった。

「ちょっと、頑張れって何だよっ！？
ふまたん言うなっ！」

慌ててタオルを抱え、中島を追いかけた。