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Side 風磨
8月に入って、合格通知が届いた。
あまり気にしていなかったけど、通知を目にして安心した自分にやっぱり不安だったんだと笑った。
8月11日から始まるSUMMARYに向けて、その打ち合わせやらリハーサルやらで夏休みはほぼ埋まっていた。
夏休みの課題は早めにやってしまえとAさんに釘を刺されていたので、仕事の合間にコツコツやったから合格通知が届く前には、片付いていた。
こんなのは学生生活12年間で初めてのことだ。
あれから？どれから？
Aさん勝手にハグ事件から。
特に変わることなし…
無かったことにされたのか。はたまた、Aさんには取るに足りないことなのか。
こうなってくると、もうハグなんて挨拶！って欧米カブレよろしく、いつでも抱き付いてやろうかとさえ思ってしまう自分に呆れる。
呆れながらも、大丈夫じゃね？って囁くもう1人の自分に頷きそうになっている。笑
こんな邪な精神のまま、俺は大阪に向かう新幹線でアイスクリームを食べていた。そうそう、あのカッチカチの。
明日から5日間大阪公演。
5日間はAさんに会えない。
感傷に浸っていると、マリウスに絡まれる。
「風磨くん、どしたの？
僕もアイス買えば良かった。」
何て言いながら俺のアイスガン見。
ドイツ人はアイスクリームが大好きなんだと。
「そんなガン見しても無駄。お疲れさまでしたぁ。」
「もぉぉ、ちょっとくらいいぃじゃん。
風磨くん嫌い！」
なんてプンプンしながら松島のところに行った。なんだよ、松島もアイス食ってんじゃん。
「そーちゃん？ドイツにはね、スパゲティアイスってのがあるの！とっても美味しいんだよ？」
「えぇぇ？美味しそうだね？冷たいパスタみたいな？ソースも冷たいの？」
「違うよ！見た目がスパゲティで、味は甘いの。」
「え？何？スパゲティが甘いの？何それ？」
「もぉ、だからぁ…
マリウスと松島の会話、相変わらずカオスだな。
スパゲッティアイス検索。
スパゲッティアイスはドイツカフェの名物。見た目がスパゲティで生クリームの上にスパゲッティ状のバニラアイスを絞ってトマトソースの代わりに苺ソース。パルメザンチーズの代わりにホワイトチョコをトッピング。
なるほど、とにかく激甘スイーツってことだな。
どうでもよ。
Aさんへのお土産何にしようかな。
もう帰ること考えてる俺。
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作者名：林檎 | 作成日時：2018年8月4日 17時
