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Side 風磨
カフェ周辺が俺の買い物エリアだけど、Aさんは懐かしいと言ってたので違うんだろう。俺がよく行く店は、レディースも揃ってるのでどうかな・・・
正直いうと、Aさんに服を選んで欲しいってのが最大の目的であって。
「懐かしいなぁ〜、でもけっこう様々な変化に戸惑うよ。こんな店とかなかったもん。」
6月も半ば。もう、十分に夏の日差しが照りつけているのでAさんは日傘をさしている。
日に当たると、 溶けそうで嫌なんだって。
日焼けも辛いらしい。色白もち肌だもんなぁぁ。
「今はどの辺で買い物するんですか？」
「ほぼデパート。楽を覚えちゃったよね〜」
大体のものが揃うし、空調が整っているからと専らデパートでの買い物が多いそうだ。まぁ、楽だよね。大人になるってこういう事なのかな、、、。
カフェを出て数分で目的の店に着いた。
「俺の服、選んでくれない？」
「え？私でいいの？」
キョトン顔。何回見ても可愛い。
「Aさんがいいの。」
ふーーんなんて言いながら、服を物色し出した。
やったぁ…
「菊池くんはスタイル良いからねぇ、
なんか選び甲斐あるね。」
楽しそうだ。良かった。
少しでも、元気になってほしいから。
けっこうな量の服たちを抱えて、試着室へ入った。沢山のコーディネートを着てはカーテンを開けて、Aさんに見せる。その繰り返し。
たまにこれはないなって笑われることがあったから、何で着せたの？って思ったりもしたけど楽しかった。
平均的に、俺が所有する服たちよりも大人っぽいけど、それを着込なしちゃってる俺！
両親に密かに感謝した。
2組のコーディネートに絞り、会計へ。
するともう会計は終わっていて、包み終わった袋だけ渡された。いやいやいや、それは違うと思って抗議。
「これは自分で買いますから！俺の買い物付き合って貰っただけなのに、買ってもらうのは違いますって！」
「いぃいぃいぃ！来月勝負じゃん？前祝い？だから絶対受験合格してね？ダメだったら払ってもらうから。笑」
ニヤッと右の口角だけ上げて笑う顔が二宮くんを連想させた。
レジの前でそんな押し問答を繰り広げていると、
「あれ？風磨じゃん？」
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作者名：林檎 | 作成日時：2018年8月4日 17時
