チクチクハート (ページ41)

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Side 廉

俺らもそれぞれに飲み物を用意して・・・あ、マイマグカップを置かせてもらってんねん。毎日ここで飯食ってるから。

「Aちゃん、これカイの分なの？マジで？・・・ありがと。いただきます。」

おいおい、いよいよ泣きそうやん。笑

「はい、聞きたかった問題ってどれなの？」

「ん、えっとね・・・ここなんだけど、」

そんな2人を見て勝利さんが笑う。

「A、めっちゃ懐かれてんね？何で？」

「さぁ・・・でも、二宮も髙橋が描いてるっていう漫画に釣られてオッケー出したしな。びっくりしたよな？」

「うん。そこ？って思ったもんな。笑」

あ、こんな事してる場合じゃない。
俺らも勉強せな・・・。

「出来るじゃん、じゃぁこっちの問題解いて？」

そう言うとフリーになった二宮は、自分の勉強を始めるわけでもなく・・・髙橋が描いたという漫画を読み始めた。

えぇぇ・・勉強は？

でも、それが二宮Aなんよな。
俺は英語、平野くんは世界史に取り掛かった。

時折、二宮に誰かが質問してそれに答えるっていう場面以外はとても静かで・・・でも眠くなったりはせんくて捗るのが不思議や。

たまに質問内容に自分のノートを振り返る二宮ねんけど、字汚っ！数学だけじゃないんやな。笑。英語はまぁ、筆記体で綺麗なんか汚いんかわからんねんけど、世界史の方な？全然わからん。

「あ、今汚って思ったでしょ？・・・別にいーじゃん、人に見せるもんじゃないんだから。私だってね、提出用はきっちり書きますー！」

そう言って誇らしげに見せてきたページの字は、
なるほど、別人や。笑

グッと集中してたし、時間も気にしてなくて・・・気付けば下校のチャイムが鳴り響いていた。

わぁ、すごい。めっちゃ進んだ。

すると開く保健室のドア。

菊池先生・・・。