チクチクハート (ページ21)

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Side 廉

終わったーーっ。

6限までってホンマ長い・・・
2年になったら7限の日もあるらしい。
はぁ・・・

「永瀬くん、ほなねー！また明日！！」

「うん！部活頑張って！！」

平野くんは俺に挨拶すると颯爽と教室を出てった。サッカー部入ったんやってー。凄いよな、勉強で疲れてんのに今から運動？？考えられへん。

あ、でも俺も河原へGo！！やし似たようなもんか。

さて、今日も二宮Aは居るんやろうか・・・。

結果、居らんかった。
いつもの場所に居らんかった。

キョロキョロしてみたけど、芝生で寝てる人なんて1人も居らんくて・・・でも、せっかく来たんやしって思って俺は思いっきりサックス吹いて待ったりもしてみたんやけどな・・・

心なしか、音色に面白味がない気がした。

翌日、朝のホームルームが始まるまで平野くんと談笑してたら、二宮Aがそっと入ってきて、「昨日はありがとうございました。」って言葉とともに紙袋を差し出してきて・・・速攻で出て行ってしまった。

「何やろな？」

「んー、開けてみよっか？」

2人で袋の中を覗けば、昨日貸したハンカチとタオルが綺麗に洗われて入ってて(俺のハンカチに関しては、アイロン済み)、それと一緒に入ってた箱を開けると、、スフレ？的な二口サイズのケーキみたいなんが入ってて、とりあえず１つずつ食べてみた。

『美味っ』

平野くんと静かにハモる。
しかも、ほんまに美味しい時ってあんま声出ぇへんねんな。ボリュームまでハモったわ。だって、めっちゃ美味しいねんもん。

「なんか、逆に気ぃ使わせてしもたな・・。」

「うん・・・。でもさ、多分これからもあんな事ありそうな気がすんねん。水掛けるだけじゃないと思うねん。だから、何かあった時のボディーガード代？それの前借りやと思ったらいいんちゃう？」

ボ、ボディーガード？

エンダーーーーー♬って曲が頭の中を流れる。

「なんかさ、二宮Aさんって放っておけへん感じやんな？永瀬くんもそう思わへん？」

「え？お、俺は別にそんな事・・・

前から思ってたけど、平野くんってポヤッとしてるけど実際めっちゃ鋭いねんな。今も真っ新なコピー用紙並みに切れ味の鋭い質問を受けてしどろもどろ。

「そう？ま、ええけど・・・。
俺、もっと二宮Aさんと喋ってみる。」

平野くんが眩しい。