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Side 廉
名簿順に決められた席は、可もなく不可もなし。
贅沢言えば窓際が良かったけど、まぁ、一番後ろの席やから良しとする。しかも俺を囲むのは男子ばっかりやから尚更良し。
このクラスでは当たり前か。
特進理系クラスのためか、男子と女子の割合は3:1。それが2クラス。この割合が逆転するのが特進文系クラス。考えただけでゾッとする。
女子に囲まれるんはもう懲り懲りや。
ホームルームが始まるのを待っていると、
今、右隣の席についた男子に声を掛けられた。
「永瀬くん・・・？」
「俺？そうやけど？」
「良かった〜、ほな俺ここで良いんやんな？」
自分の席しか確認してなかったし、隣のやつの名前なんて見てへん・・・
「あ、俺、平野って言います。座席表見たら、永瀬くんの隣になってたから、確認？ありがとう〜。」
何も言わずにジロジロ見てしまってたけど、そんな俺を気にすることなく自席に着く平野くんはなんかポヤっとしてんな〜って思った。しかも、俺に負けず劣らずのイケメン。
っていうか、平野くん関西弁喋ってるやん！！
勝手にめっちゃ親近感が湧いてる俺は、密かに平野くんの横で興奮してしもた。えっと、話しかける？
そんな俺の心中を知ってか知らずか・・・平野くんは再び俺に視線をくれる。くれるってめっちゃ喜んでるみたいやん！・・・いや、実際嬉しいねんけど。
「永瀬くん、関西の人なん？」
「え？あ、うん！中学まで京都に住んでてんけど、親の転勤で高校からこっち。平野くんも関西の人？」
俺の言葉にすっごい嬉しそうに笑うから、
なんか俺も笑ってしもた。
「そうなんや！俺は、名古屋なんやけど・・・人格形成される年頃にちょっとだけ大阪にいた時期があったから、関西弁が抜けへん。俺も親の仕事の都合で高校からこっちやねん。一緒やな！！」
平野くんも高校からこっちってことは、中学から一緒に上がったような友達いーひんのかな？普通に考えたらそうやんな？
1人でも別にええわ、なんてカッコつけてたけど・・・やっぱ、教室全体を見渡せてしまうこの座席からクラスメイトたちが必死で友達を作ろうとしている姿を見ていると・・・ホンマは焦ってたわけで。
でも人見知り発動してて、しかも標準語なんて喋れへん俺は、なかなか声をかけるキッカケも掴めず・・・
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作者名：林檎 | 作成日時：2019年3月29日 0時
